
TouchDesigner Advent Calendar 2025 の24日目の記事です。
(3期連続X’mas&eve投稿死守中..`・ω・´)フンスッ)
今回は2023年のときに書いたのと同じく、
大型アップデートの注目ポイントまとめになります。
2025年10月29日。Derivative社はTouchDesignerの歴史において、過去最大かつ最も根源的なアップデートとなる Build Version 「2025.31760」 をリリースしました!
今回のアップデート最大の魅力は言うまでもなく、「POP」オペレータの登場です。
1990年代からTouchDesignerの3D処理を支えてきた「SOP(Surface Operators)」に加え、現代のGPUアーキテクチャに完全に最適化された新オペレータファミリー「POPs(Point Operators)」がついに実装されました。(๑❛ᴗ❛๑)۶
これは単なる新機能ではなく、制作フローそのものを根底から覆すパラダイムシフトです。
実は「α版」という試験的立ち位置のTouchdesignerにて、2年以上前からPOPの実装自体は既にされていました。ただ、α版はTouchdesignerコミュニティへの貢献が認められる人のみインストールできるVerとして公式サイトなどでも配布はされていなかった為、作品を見ることはあっても触れない現場ユーザーも多く、正式実装を望む声が多く挙がっていました。
今回それがようやく、本当に満を持してお披露目となった形です。


2024年にメジャーバージョン上げる大型アップデートが来ず、西暦とズレが生じたメジャーバージョンが初めて2年も続いたので「これは流石に2025年秋ドデカいのくるやろ、、」と予想はしてたのは私だけじゃなかったハズ。
さらに、プロフェッショナルの現場からの長年の要望に応え、レーザー制御エンジンの大幅な再設計、映画基準のカラーマネジメントシステム(ACES/HDR)といった、痒いところに手が届くアップデートも起きています。
POPsの登場が凄すぎてあまり注目されていないのですが、コードベースで開発を行うエンジニアにとっても朗報があります。Python環境構築、VS Code連携、スレッド管理といった「開発環境としての弱点」も劇的に改善されました。
本記事では、
・ビジュアル表現を追求するアーティスト
・各種デバイス連携を行うエンジニア
・そして現場を守るインテグレーター
それぞれの観点から本アップデートの全貌を解剖していきます。(っ・ω・)っヌーン
※本記事の執筆はAIに手伝っていただき、細部の手直し・全体の監修を人力で行ってます。
- 1. The Visual Revolution: SOPの限界を突破する「POPs」
- 2. DMX & Lighting:テーブルから「オブジェクト」へ
- 3. Laser Updates:ゼロベースで再設計された「光」の制御
- 4. Color Management:映画・放送基準の「正しい色」
- 5. Video & Streaming:SDIからの解放と次世代コーデック
- 6. Audio & Rendering:物理ベースの音響と簡易レンダリング
- 7. Developer Tools:Python環境の近代化
- 8. New Operators:制作をよりスマートにする新オペレータ群
- 9. Connectivity & Protocols:データ転送周りの安定性強化
- 10.(おまけ/注意)システム要件が引き上げになった
- まとめ:TouchDesignerの”第2幕”の始まり
1. The Visual Revolution: SOPの限界を突破する「POPs」

TouchDesignerユーザーにとって、長年のボトルネックは「CPUによる演算」でした。従来のSOPは、CPU上で描画処理を計算する為パーティクル数が数万を超えた時点でメインループのFPSに深刻な影響を与えます。そのため、大量のパーティクルを扱うには「GLSLを書く」か「TOPで位置情報を計算する(GPGPU)」という、高度なテクニックが必要でした。
この課題に対するDerivative社が打ち出した最強のアンサーが、POPs (Point Operators) です。
1-1. GPU Resident:数百万パーティクルのリアルタイム制御

POPsオペレータはすべて、GPU上(VRAM内)で計算・処理されます。これにより、ゲーミングPCに搭載しているグラフィックボードの性能を最大限引き出し、数百万〜数千万単位のポイントクラウドやパーティクルシステムをリアルタイムで生成・制御することが可能になりました。
これまでの「SOP to CHOP」ワークフローでは、SOPのジオメトリデータをCHOPに変換する瞬間にCPUコストが発生していましたが、POPsではデータがGPUから降りてくることはありませ
ん。レンダリング直前までGPU内で完結するため、圧倒的なパフォーマンスを発揮します。

POPの性能を最大限引き出すなら、最低でもRTX 4060以上のlaptopは欲しい所。最近は5060もAmazondeだいぶ安くなってきてるので買い時です!
1-2. Attribute:自由なデータコンテナとしての「点」

POPsの真髄は、その汎用性にあります。POPsにおける「点(Point)」は、単なる3D空間の座標(P)ではありません。
Houdiniのように、任意の属性(Attribute)を持てるデータコンテナとして機能します。
- 標準属性: Position (P), Color (Cd), Normal (N), Texture Coordinate (uv), Velocity (v) etc..
- カスタム属性: ユーザーが自由に定義できる数値(ベクトル、ID etc..)
例えば、「寿命(life)」「質量(mass)」「音の反応値(audio_react)」といった独自のデータを各ポイントに持たせ、それをGPU計算で次々と継承・変異させていくことができます。
これにより、複雑な群衆シミュレーションや、有機的なジェネラティブアートの表現幅が無限に広がります。
1-3. Viewer & Debugging:不可視データの可視化

GPUプログラミング(GLSL)の最大の難点は「デバッグのしにくさ」にありました。「今、このピクセルの数値はどうなっているのか?」を確認する手段が乏しかったのです。
POPsでは、この問題に対する強力なソリューションとして、3D Viewer機能が大幅に刷新されました。
- Attribute Visualization: ビューア上で右クリックすることで、各ポイントが持つ属性値を可視化できます。
- Vector: 法線や速度(Velocity)を「矢印」として表示。
- Text: 具体的な数値を3D空間上にテキストとしてオーバーレイ表示。
- Color: 任意の値を色(ヒートマップ)として表示。
- Bounding & Grid: グリッド表示の改善や、バウンディングボックスのプロジェクション表示など、空間把握のためのガイド機能も強化されています。
これにより、抽象的なデータの塊であるPOPsを、直感的にデバッグしながら構築することが可能になりました。
1-4.デモサンプルの配布
サムネに使用させていただいている公式のサンプルファイルは、こちらからダウンロードできます。皆さんも是非、直接触ってその可能性を体感してみてください。
POPsはファミリーとして、一気に膨大な数が登場しました。
今までのメジャーアップデートでの新規追加が3~4個だったことを考えると、今回のアプデが如何に規格外なものかお判りいただけると思います。

ちなみに、弊メディアではPOPsオペレータの早見表も執筆しています。
よろしければそちらもご覧ください。
2. DMX & Lighting:テーブルから「オブジェクト」へ
舞台照明やLED制御(DMX/Art-Net)のワークフローも、POPsの導入によってパラダイムシフトが起きています。これまでの「DAT(表計算ソフトのようなリスト)」とにらめっこする作業から解放されます。
2-1. DMX Fixture POP

照明器具(フィクスチャ)を、3D空間上の「点(Point)」として定義する新しいオペレータです。
各ポイントは位置情報だけでなく、その器具が持つDMXチャンネルの構造(プロファイル)を保持します。これにより、「3D空間にライトを配置する」という直感的な操作だけで、裏側で必要なDMXアドレスやユニバースの計算が自動的に行われるようになります。
2-2. DMX Map DAT

大規模な照明システムを組む際、最も恐ろしいのが「アドレスの重複(コンフリクト)」です。
新設された DMX Map DAT は、DMX Out POP にドッキングすることで、現在どのユニバースのどのチャンネルが使用されているかをグラフィカルに可視化します。重複箇所は赤く警告されるため、トラブルシューティングの時間が大幅に短縮されます。
2-3. Pan Tilt CHOP

ムービングライト制御の長年の悩みであった「パン・チルトの計算」を解決する Pan Tilt CHOP が追加されました。ターゲット(Look At)の座標を与えるだけで、器具の設置向きや可動範囲を考慮した適切なDMX値(0-255や16bit値)を出力してくれます。
3. Laser Updates:ゼロベースで再設計された「光」の制御
今回のアップデートで、POPsと並んで特筆すべきなのがレーザー制御(Laser CHOP)の劇的な進化です。これにより、「TouchDesignerのレーザーは設定が難しい」「描画品質を上げるにはコツがいる」といった通説は、過去のものとなりました。
3-1. LaserAnimation Sollinger社との共同開発

今回の Laser CHOP の刷新にあたり、Derivative社はレーザー制御ハードウェアの世界的権威である LaserAnimation Sollinger社 とパートナーシップを組みました。専門家の監修のもと、パラメータの挙動や内部アルゴリズムが根本から見直されています。
3-2. 描画エンジンの完全なオーバーホール
具体的に、以下の点が技術的に改善されています。
- Blanking Calculations(ブランキング計算): レーザープロジェクターにおいて最も重要なのが、レーザーを消灯して次のポイントへ移動する「ブランキング」の処理です。これが不適切だと、本来消えているはずの移動線が薄く見えてしまったり(Tails)、始点・終点が歪んだりします。新しいエンジンでは、この計算精度が飛躍的に向上し、キレのある鮮明なラインが出力可能になりました。
- Image Sharpness & Uniformity: 複雑な図形を描画する際の角の鋭さや、直線の明るさの均一性が改善されました。
- Stability: 長時間稼働や複雑なパターンの切り替え時における安定性が増し、本番環境での信頼性が向上しています。
3-3. POPs × Laser:新時代のワークフロー

当然ながら、新機能である POPsからの直接入力 にも対応しています。
これまではSOPのジオメトリをCHOPに変換し、サンプル数を調整してLaser CHOPに送っていましたが、これからはGPUで生成した大量のパーティクルやモーショングラフィックスを、ダイレクトにレーザー出力へと変換できます。
3-4. Helios SDK Update & 16-bit Support

安価で人気の高いレーザーDAC(Digital to Analog Converter)である Helios シリーズへの対応も強化されました。
最新のSDKにアップデートされたことで、16-bitの色深度(Color)と位置情報(Position) をサポート。従来の8-bit/12-bit制御に比べ、グラデーションの滑らかさや、細かい動きの追従性が格段に向上しています。また、カスタムユーザーチャンネルの送信も可能になりました。
カナダのAmazonでは売っているので、Localeをcaにして日本発送で購入、というのは一つの手です。
4. Color Management:映画・放送基準の「正しい色」
Netflix認定やIMAXなどのハイエンドな映像制作現場において、TouchDesignerがより信頼されるツールとなるためのアップデートです。
4-1. OCIOライクな色管理 (Color Space)

プロジェクト全体の設定(Preferences)として、Working Color Space(作業用色空間) を明示的に指定できるようになりました。
- sRGB Linear: 従来のWeb/PC標準。
- ACEScg: CG制作における業界標準。広色域で、物理ベースレンダリングとの相性が抜群。
- Rec. 2020 Linear: 4K/8K放送、HDRコンテンツ向け。
- DCI-P3 Linear: デジタルシネマ向け。
これにより、カメラ入力からレンダリング、ディスプレイ出力まで、一貫して「色が正しく管理された状態」を保つことができます。
4-2. 全域でのHDRプレビュー
ネットワークエディタ内の背景、ノードのビューア、フローティングウィンドウなど、TouchDesignerのUI全体が 10-bit / 16-bit HDR表示 に対応しました。
これまで「ビューア上では白飛びしているが、数値上はデータがある」という状態で作業していた高輝度部分(ハイライト)も、HDR対応モニタを使用していれば、制作段階から正確な階調で確認できます。
5. Video & Streaming:SDIからの解放と次世代コーデック

放送局や大規模イベントの現場向けに、映像伝送周りの機能が強化されています。
5-1. ST 2110 対応:IPベースの非圧縮伝送
放送業界で急速に普及しているIP伝送規格 SMPTE ST 2110 に正式対応しました。
これまでのSDIケーブルによる物理的な配線に代わり、10GbE/25GbEなどの高速ネットワーク回線を通じて、非圧縮の映像・音声・アンシラリデータ(タイムコード等)を低遅延で送受信できます。
- 対応ハードウェア: Blackmagic Design IPシリーズ、Deltacast DELTA-ip_ST2110。
- ST2110 Device CHOP: 複雑なネットワーク設定を管理するための専用CHOPも用意されています。
5-2. 次世代コーデック:AV1 & HEVC
Video Stream Out TOP がアップデートされ、ストリーミング配信において以下の最新コーデックが利用可能になりました。
- AV1: ロイヤリティフリーかつ、H.264よりも圧倒的に圧縮効率が高い次世代コーデック。
- H.265/HEVC: 4K配信の標準。
- Audio: 音声コーデックとして Opus と AAC にも対応。
5-3. Capture Deviceの機能拡張
- Blackmagic: HDMI経由でのタイムコード取得、マルチ出力カードでの完全同期(Genlock的な挙動)に対応。
- Deltacast: 8K入出力のパフォーマンス改善、最大16chオーディオ対応。
- Bluefish444: 10-bit I/O対応。
6. Audio & Rendering:物理ベースの音響と簡易レンダリング
6-1. Audio Render CHOP “Simulation Mode”

3Dオーディオ機能が大幅に強化されました。従来の単なるパンニング(位置による音量変化)に加え、Simulation Mode が搭載されました。
これは、3D空間内の壁やオブジェクト(Scene Meshes)を認識し、以下の要素をリアルタイムでシミュレーションします。
- Reflections (反射): 壁に当たって跳ね返る音。
- Occlusion (遮蔽): 物体の裏側に回った時の音の篭もり。
- Absorption (吸音): 材質による音の吸収。
- Attenuation (減衰): 距離による自然な減衰。
VRコンテンツやイマーシブなインスタレーションにおいて、視覚と聴覚が完全に一致した体験を作り出せます。
6-2. Render Simple TOP

POPsの登場により、「とりあえずパーティクルを見たい」という需要が増えます。いちいちCamera COMPとLight COMPを配置するのは手間です。
Render Simple TOP は、その名の通り「繋ぐだけでレンダリングしてくれる」軽量なTOPです。カメラやライトのセットアップなしで、POPsやSOPsのプレビューを高速に行えます。
7. Developer Tools:Python環境の近代化
プログラマーやテクニカルディレクターにとって、最も「ありがたい」アップデート群です。
7-1. TDI Library for VS Code:公式のコード補完

これまで、TouchDesignerのPythonコーディングには「外部エディタでの補完が効かない」という悩みがありました。
公式リリースされた TDI Library をVS Codeに導入することで、TouchDesigner固有のクラス(op, par, tduなど)やメソッドの IntelliSense(自動補完) が完全に機能するようになります。また、ヘルプドキュメントもエディタ上で参照可能です。
7-2. tdPyEnvManager:依存関係地獄からの解放

Paletteに追加された Python Environment Manager (tdPyEnvManager) は、Pythonの仮想環境管理をGUI化したツールです。
- Pip & Conda: ターミナルを開くことなく、TDの画面上から
pip install numpyやconda createといった操作が可能。 - プロジェクト単位の管理: プロジェクトフォルダごとに環境を切り分けられるため、「あのPCでは動くけど、こっちでは動かない」といったバージョンの競合トラブルを未然に防げます。
7-3. Thread Manager:非同期処理の標準化

ファイル読み込みや重い計算処理をバックグラウンドで行うための「スレッド処理」を管理する Thread Manager コンポーネントが標準搭載されました。
自前で複雑な threading モジュールを書くことなく、タスクをキューに放り込むだけで、メインループ(描画)を止めることなく重い処理を実行できるようになりました。
8. New Operators:制作をよりスマートにする新オペレータ群
POPsのインパクトに隠れがちですが、今回のアップデートでもワークフローを劇的に効率化し、煩雑なセットアップを省略できる為の便利なオペレータが、既存ファミリーに数種類追加されているのでご紹介しておきます。
8-1. Render Simple TOP:爆速プレビューの新定番
POPsの登場に伴い、「カメラやライトを配置する手間なく、とりあえず結果を確認したい」というシーンが増えました。Render Simple TOPは、複雑な設定なしでPOPネットワークやSOPを即座にレンダリングできる軽量ノードです。
8-2. Layer Mix TOP:直感的なマルチレイヤー合成
新しいLayer Mix TOPは、単一のノード内で制限なく画像レイヤーを重ね合わせることができます。
- 個別調整: 各レイヤーごとに独立したパラメータを持ち、必要な項目だけを有効化して表示できるため、UIが煩雑になりません。
- 背景プレート: 合成の基点となる背景を個別に指定でき、複雑なコンポジット作業がこれ一つで完結します。
8-3. Serial Device DAT:シリアル通信の交通整理
地味ながら現場で重宝するのがSerial Device DATです。現在PCで使用可能なシリアルポートを一覧表示し、どのポートが使用中かを一目で識別できるユーティリティです。デバイス接続のトラブルシューティングが劇的に楽になります。
8-4. ZED OPs:SDK 5.0.4による大幅刷新
ステレオカメラ「ZED」のサポートが次世代レベルへ引き上げられました。
- ハブ構造の採用: ZED TOPが設定の起点となり、CHOP、SOP、そして新設のZED POPがその設定を参照する形に統一されました。
- ZED Select TOP: 複数の画像ストリームを並列で個別に抽出可能になりました。
- 高度なトラッキング: ZED CHOPは38ポイントの全身ボディトラッキングと、2D/3D/頭部のバウンディングボックスに対応。
- ZED POP: カメラのスキャンデータから、GPU上で直接ポイントクラウド(点群)キャプチャを生成します。
- ネットワーク対応: 別のマシンからのSVO2ファイルのストリーミング再生もサポートされています。
9. Connectivity & Protocols:データ転送周りの安定性強化
「何でも繋がる」TouchDesignerの強みが、最新のネットワーク規格への対応によってさらに盤石なものとなりました。
9-1. WebRTC (WHIP/WHEP):極低遅延な映像伝送
次世代の低遅延ストリーミング規格であるWHIPおよびWHEPをサポートしました。ブラウザとの双方向通信や、クラウドを経由した映像伝送を、これまで以上に低遅延かつ高画質で実現します。
9-2. NDI 6 へのアップデート:10-bit HDRのネットワーク伝送
NDI 6に対応したことで、ネットワーク越しでも10-bit HDRの高品質な映像をやり取りできるようになりました。前述のカラーマネジメント機能と組み合わせることで、ケーブルレスな環境でもプロフェッショナルな画質を維持できます。
9-3. MQTT Client の強化と OSC Query
IoT分野で標準的なMQTTの連携が強化され、多数のデバイスからのセンサーデータ受信がより安定しました。また、OSC Queryへの対応により、対応機器同士であればアドレスを手入力することなく自動でパラメータを認識し、同期させることが可能になっています。
10.(おまけ/注意)システム要件が引き上げになった
最後に、この強力な機能群を享受するためのハードウェアの最低&推奨要件が引き上げられた県についても触れておきます。
- GPU VRAM: POPsはVRAMを大量に消費します。公式推奨は 8GB以上 です(最低4GB)。4GB以下のGPUでは、大規模なパーティクルシステムでメモリ不足に陥る可能性があります。
- OS: macOSユーザーは注意が必要です。macOS 13 Ventura 以降 が必須動作環境となりました。
- NVIDIA 50-series: 最新のBlackwellアーキテクチャ(RTX 50シリーズ)にも対応済であり、Maxine SDK(Body Trackなど)も最新版に更新されています。
とはいえ20万もしないPCで十分にヌルヌル動かせますので、「まだWindowsPC持ってないよ~」という人はこの辺りがオススメです。
まとめ:TouchDesignerの”第2幕”の始まり
TouchDesigner 2025は、SOP時代の「手軽さ」を残しつつ、POPsによる「ハイパフォーマンス」、そしてST2110やACESによる「プロフェッショナル規格への準拠」を同時に達成した、極めて野心的なアップデートです。この自由度を体感すれば、もう以前のフローには戻れないでしょう。
レーザー制御の刷新 と POPs の組み合わせは、オーディオビジュアルパフォーマンスの表現レベルを一段階引き上げてくことがこれから予想されますし、開発環境の改善も大規模なシステム開発を行うエンジニアの負担を劇的に減らすことになるでしょう。大規模プロジェクトでプロトタイピングするテクニカルディレクター達の心強い味方になってくれそうです。

どうでもいいけど「TD」ってかくとTouchdesignerなのかTechnical Directorなのかマジで分かんなくなくなるので敢えていつもフル表記してます、、笑
最後に、恐縮ではありますがちょっと弊社の紹介を。
私のおりますワントゥーテンという会社ではTouchdesignerエンジニアが多く在籍しており、より具体的な実装ノウハウをうちの先輩や同期が会社の技術ブログに色々載せてます。
そちらもよかったらご覧下さい!
また、弊社ワンテンは尖った人材を絶賛募集中です。応募したい職種のエントリー〆切ってても繋げれる場合もあるので、我こそはという方はポートフォリオ添えて是非メールなりインスタなりで私まる。にまでご連絡ください🦾
最近は、MakerFaireやら東京大学の卒業制作展やら、ありとあらゆるところで授業・独学問わずTouchdesignerを使う大学生を見かけるようになってきました。
これだけ日本が盛り上がってるのは、我々おじさんお兄さんとしてはうれしい限りです。
この記事がこれからのTouchdesigner界隈を盛り上げていく日本のクリエイターたちの役に少しでも立ちましたなら幸いです。٩(๑❛ᴗ❛๑)۶





