Raspberry Piは、手のひらサイズの小型コンピュータです。各種センサーと組み合わせることで多彩なIoT機器を作ることが出来、年々注目を浴びています。
コロナ禍では半導体不足の影響もあり、国内では売り切れが相次ぐ事態となりました。徐々に供給も回復して来ており、今後ますます目が離せないデバイスです。
この記事では、
- Raspberry Piが注目される理由
- 全シリーズの機能比較一覧
- 世代ごとのスペックの違い
- 用途・目的別おすすめモデル
について解説していきます。
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そもそもRapberry Piとは
Raspberry Piとはイギリスのラズベリーパイ財団によって2012年に販売が開始されたシングルボードコンピューターで、日本ではラズパイと略されることが多いです。
Raspberry Pi自体が安価なのと豊富な開発環境から、小学生の電子工作や、プログラミング学習を始めるきっかけとして、あるいはIoT開発を手軽に体験できるツールとして、人気になりつつあります。
2009年に設立されてから、幅広いシリーズが登場し世界中で人気を博しています。
日本でも、Amazonなどの通販サイトでも国内正規代理店さんなどが多数販売しています。
普通のパソコンと比べて2~3万円以下で入手できるパソコンということも人気の理由のひとつですが、その他にも大きく注目を浴びている要因が幾つか。
Raspberry Piが注目される理由
Raspberry Piが注目される大きな要因は
- IoT技術の発展と低コスト化
- 高い拡張性と自由度を併せ持つポテンシャル
の主に2つに依るところが大きいでしょう。
Raspberry Piを使うことで電子工作やモノ作りなどの開発の敷居がグッと下がり、徐々に注目を浴びるようになりました。
IoT技術の発展であらゆるモノがインターネットへ繋がる時代に
昨今IoT技術の発展にともない、「Google Home」をはじめとしたスマートスピーカー以外にも、冷蔵庫や炊飯器などの白物家電もWi-fiでインターネットにつながる時代になりました。
IoTとは「Internet of Things」の略で「モノのインターネット化」という意味で使われています。今では帰宅時に赤外線センサで自動で照明をつける、室内の温度に合わせて自動でエアコンの温度調整を行う、声で掃除機や洗濯機を操作するといったことが簡単に出来るようになっています。これが「モノのインターネット化」です。
Raspberry Piは家などの住居から家電製品、果てはぬいぐるみまで既存のあらゆるモノをIoT化することができるシングルボードコンピューターです。(*一部、OSがないマイコンモデルもアリ)
単体で見るとただの小さなコンピュータですが、各種センサや小型機器と通信することでその真価を発揮します。
Raspberry Piを語るうえで欠かせないもう一つの主役がいます。それは、「Python(パイソン)」です。産業に留まらず近年教育や研究業界などでも大きな広がりを見せているプログラミング言語です。
Pythonの魅力については以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方は是非チェックしてみてください。
低コスト高品質なボードの登場によるハードウェア開発の一般化
これまでは、IoTやそれに関わるテクノロジーは、工学系の専門学校や高専、大学の専攻で勉強するか実際にその機器を作る企業に勤めない限り、簡単に知識を習得することはできませんでした。
しかしRaspberry Pi(特にmodelB 3と4)の登場により、電子工作の敷居が大きく下がりそれまで興味があったものの手を出しづらかった企業や個人にまで広がりを見せるようになりました。
正直Raspberry Pi 1や2の頃はまだ産業実用化が厳しいスペックだったよ。
元々USBやHDMI端子、GPIO(後述)を搭載している小型パソコンでしたが、スペックが向上しあらゆる機器やセンサとの接続が可能になり、実用的な構築がスムーズに行えるようになったことが人気に火をつけた理由でしょう。
価格も一般的なパソコンに比べて安価である為、最近はIoTや電子工作のプログラミング教育にも使われています。
手頃なサイズ感と高い拡張性で自分だけのカスタマイズが可能
GPIOとはマイコンを他のセンサーやデバイスと接続するための、金属のピンのことを指します。Raspberry PiにはGPIOピン用のソケットがデフォルトで付属しており、そこに配線を介して各種センサやデバイスと繋げることができます。つまり、パソコン本体に直接気温センサや駆動輪(タイヤ)などをつなげて制御させる、といったことが可能になります。
さらに、Raspberry Piは消費電力が少なく、乾電池でも動かすことができます。
そのため、今まで搭載不可能だった様々な「モノ」に、簡単にコンピューターを組み込めることが可能になったというのもRaspberry Piが注目されるようになった要因の一つです。
市販されていない機能やサービスのデバイスを、目的に合わせてこれで自作できるようになります。
Alexaみたいなスマートスピーカーもつくれちゃうよ!
具体的なRaspberry Piのユースケースについては以下の記事で詳しく紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
Raspberry Piの種類
Raspberry Piは大まかに分けて
- Raspberry Pi 5
- Raspberry Pi Model Bシリーズ(3,4)
- Raspberry Pi Model Aシリーズ(3,4)
- Raspberry Pi Zero シリーズ
- Raspberry Pi Pico シリーズ
- Raspberry Pi 400
- Raspberry Pi(RPi) Compute Moduleシリーズ
という区分に分けることが出来ます。
はじめにシリーズの全体像を確認する意味も込め、本記事紹介するモデルのスペックを一覧表にまとめてみました。
※横にスライドできます。
スペック | Raspberry Pi5 | Raspberry Pi4 Model B | Raspberry Pi 3 Model A+ | Raspberry Pi3 Model B+ | Raspberry Pi3 Model B | Raspberry Pi Zero 2 W | Raspberry Pi Zero WH | Raspberry Pi Zero W (V1.1) | Raspberry Pi Zero(V1.3) | Raspberry Pi 400 (日本語配列) | Raspberry Pi Compute Module4 eMMC,無線搭載 | Raspberry Pi Compute Module4 Lite 無線搭載 | Raspberry Pi Compute Module3+ | Raspberry Pi Compute Module3 Lite | Raspberry Pi Pico WH | Raspberry Pi Pico W | Raspberry Pi Pico H | Raspberry Pi Pico |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
メモリ | LPDDR4X-4267 1~8GB(選択可) | LPDDR4-3200 1GB~8GB(選択可) | LPDDR2 512MB | LPDDR2 1GB | LPDDR2 1GB | (LPDDR2 512MB) | LPDDR2 512MB | LPDDR2 512MB | LPDDR2 512MB | LPDDR4 4GB | LPDDR4 1GB~4GB | LPDDR4 1GB~4GB | DDR2 1GB | DDR2 1GB | 256KB SRAM | 256KB SRAM | 256KB SRAM | 256KB SRAM |
SoC | Broadcom BCM2712 | Broadcom BCM2711 | Broadcom BCM2837B0 | Broadcom BCM2837B0 | Broadcom BCM2837 | Broadcom RP3A0 (BCM2710A1とLPDDR2 512MBメモリの複合型) | Broadcom BCM2835 | Broadcom BCM2835 | Broadcom BCM2835 | Broadcom BCM2711C0 | Broadcom BCM2711 | Broadcom BCM2711 | Broadcom BCM2837B0 | Broadcom BCM2837 | RP2040 (マイコン) | RP2040 (マイコン) | RP2040 (マイコン) | RP2040 (マイコン) |
CPU | Cortex-A76 2.4GHz クアッドコア | Cortex-A72 1.5GHz クアッドコア | Cortex-A53 1.4GHz クアッドコア | Cortex-A53 1.4 GHz クアッドコア | Cortex-A53 1.2GHz クアッドコア | Cortex-A53 1.0GHz クアッド コア | ARM1176JZ-F1000MHz シングルコア | ARM1176JZ-F1000MHz シングルコア | ARM1176JZ-F1000MHz シングルコア | Cortex-A72 1.8GHz クアッドコア | Cortex-A72 1.5GHz クアッドコア | Cortex-A72 1.5GHz クアッドコア | Cortex-A53 1.2 GHz クアッドコア | Cortex-A53 1.2 GHz クアッドコア | Cortex M0+ 133MHz デュアル コア | Cortex M0+ 133MHz デュアル コア | Cortex M0+ 133MHz デュアル コア | Cortex M0+ 133MHz デュアル コア |
GPU | Broadcom VideoCore VII Single Core 800MHz OpenGL ES 3.1、Vulkan 1.2 対応 | Broadcom VideoCore VI Dual Core 500MHz OpenGL ES 3.0対応 | Broadcom VideoCore IV DualCore 400MHz OpenGL ES 2.0対応 | Broadcom VideoCore IV DualCore 400MHz OpenGL ES 2.0対応 | Broadcom VideoCore IV 400 MHz OpenGL ES 2.0対応 | Broadcom VideoCore IV 250 MHz OpenGL ES 2.0対応 | Broadcom VideoCore IV DualCore 250 MHz OpenGL ES 2.0対応 | Broadcom VideoCore IV DualCore 250MHz OpenGL ES 2.0対応 | Broadcom VideoCore IV DualCore 250MHz OpenGL ES 2.0対応 | Broadcom VideoCore VI DualCore 500MHz OpenGL ES 3.0対応 | Broadcom VideoCore VI DualCore 500MHz OpenGL ES 3.0対応 | Broadcom VideoCore VI DualCore 500MHz OpenGL ES 3.0対応 | Broadcom VideoCore IV DualCore 400MHz OpenGL ES 2.0対応 | Broadcom VideoCore IV DualCore 400MHz OpenGL ES 2.0対応 | なし | なし | なし | なし |
映像 | micro HDMI×2(4K対応) MIPIx2 | micro HDMI(4K対応)×2 3.5mmジャック MIPI DSI | HDMI 3.5mmジャック MIPI DSI | HDMI 3.5mmジャック MIPI DSI | HDMI | mini-HDMI | mini-HDMI | mini-HDMI | mini-HDMI | micro-HDMIポート x 2個 4K対応 | なし (基本機能はI/Oボードにて拡張) | なし (基本機能はI/Oボードにて拡張) | なし (基本機能はI/Oボードにて拡張) | なし (基本機能はI/Oボードにて拡張) | なし | なし | なし | なし |
音声 | micro HDMI×2 I²S | 3.5mmジャック micro HDMI×2 I²S | 3.5mmジャック HDMI I²S | 3.5 mmジャック HDMI I²S | 3.5 mmジャック HDMI I²S | mini-HDMI I²S | mini-HDMI I²S | mini-HDMI I²S | mini-HDMI I²S | micro-HDMIx2 I²S | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
有線LAN | 10/100/1000 Mbps イーサネット | 10/100/1000 Mbps イーサネット | なし | 300 Mbps イーサネット(USB 2.0経由) | 300 Mbps イーサネット(USB 2.0経由) | なし | なし | なし | なし | 10/100/1000 Mbps イーサネット | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
無線LAN | 2.4&5.0GHz IEEE 802.11ac | 2.4&5.0GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac | 2.4&5.0GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac | 2.4&5.0GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac | 2.4&5.0GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac | 2.4GHz IEEE 802.11 b/g/n | 2.4GHz IEEE 802.11 b/g/n | 2.4GHz IEEE 802.11 b/g/n | なし | 2.4&5.0GHz IEEE 802.11 b/g/n/ac | 2.4&5.0GHz IEEE 802.11 b/g/n/ac | 2.4&5.0GHz IEEE 802.11 b/g/n/ac | なし | なし | IEEE 802.11b/g/n | IEEE 802.11b/g/n | なし | なし |
GPIO | 40ピン | 40ピン | 40ピン | 40ピン | 40ピン | 40ピン | 40ピン | 40ピン | 40ピン | 40ピン | なし | なし | なし | なし | 26ピン | 26ピン | 26ピン | 26ピン |
Bluetooth | 5.0, 5.0 LE対応 | 5.0対応 | 4.2対応 | 4.2対応 | 4.1対応 | 4.2対応 | 4.1対応 | 4.1対応 | なし | 5.0対応 | 5.0対応 | 5.0対応 | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
USB | USB2.0 x 2個 USB3.0 x 2個 | USB2.0 x 2個 USB3.0 x 2個 | USB 2.0 x 1個 | USB2.0 x 4個 | USB2.0 x 4個 | microUSB x 1個 | microUSB × 1個 | microUSB × 1個 | microUSB × 1個 | USB 2.0 × 1個 USB 3.0 × 2個 | なし | なし | なし | なし | USB 1.1 micro B (電源と共有) | USB 1.1 micro B (電源と共有) | USB 1.1 micro B (電源と共有) | USB 1.1 micro B (電源と共有) |
電源 | USB Type-C | USB Type-C | microUSB Type-B | microUSB Type-B | microUSB Type-B | microUSB Type-B | microUSB Type-B | microUSB Type-B | microUSB Type-B | USB Type-C | なし | なし | なし | なし | USB 1.1 micro B (電源と共有) | USB 1.1 micro B (電源と共有) | USB 1.1 micro B (電源と共有) | USB 1.1 micro B (電源と共有) |
推奨電力 | 5V 5.0A(25W) | 5V 3.0A(15W) | 5V 2.5A(12.5W) | 5V 2.5A(12.5W) | 5V 2.5A(12.5W) | 5V 2.5A(12.5W) | 5V 1.2A(6.0W) | 5V 1.2A(6.0W) | 5V 1.2A(6.0W) | 5V 3.1A(15.3W) | (+5V) | (+5V) | (+5V) | (+5V) | 1.8V~5.5V | 1.8V~5.5V | 1.8V~5.5V | 1.8V~5.5V |
※生産終了した一部過去モデルは一覧表からは除外しています。
それぞれどのような用途に向いているのか、新しいモデルと比較してどうなのか、以下詳しく掘り下げてみていきましょう。
【NEW!】2024年2月13日発売!Raspberry Pi5
Raspberry Pi5は、2023年9月28日に発表された次世代モデルで、記事作成時点で発売日は未定となっております。 →【NEW!】こちら2024年2月13日に発売が決定しました!!
スペックは下記のとおりです。
(最もスペックの近しいPi4 Model Bと比較しています)
スペック | Raspberry Pi5 | Raspberry Pi4 Model B |
---|---|---|
メモリ | 1GB,2GB,4GB,8GBから選択可能 | 1GB,2GB,4GB,8GBから選択可能 |
SoC | Broadcom BCM2712 | Broadcom BCM2711 |
CPU | Cortex-A76 2.4GHz クアッドコア | ARM Cortex-A72 1.5GHz クアッドコア |
GPU | Broadcom VideoCore VII Single Core 800MHz OpenGL ES 3.1、Vulkan 1.2 対応 | Broadcom VideoCore VI Dual Core 500MHz OpenGL ES 3.0対応 |
映像 | micro HDMI(4K対応)×2、 MIPI×2 | micro HDMI(4K対応)×2 3.5 mm ジャック MIPI DSI |
音声 | micro HDMI×2 I²S | 3.5 mm ジャック micro-HDMI I²S |
有線LAN | 10/100/1000 Mbps イーサネット | 10/100/1000 Mbps イーサネット |
無線LAN | 2.4GHz and 5GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac | 2.4GHz and 5GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac |
GPIO | 40ピン | 40ピン |
Bluetooth | 5.0, 5.0 LE対応 | 5.0対応 |
USB | USB2.0 x 2個 USB3.0 x 2個 | USB2.0 x 2個 USB3.0 x 2個 |
電源 | USB Type-C | USB Type-C GPIO 2.54mm ピンヘッダ |
推奨電力 | 5V 5.0A(25W) *最低動作電力で5V 3.0A(15W) | 5V 3.0A(15W) |
まだ発表されたばかりのモデルのため、より詳細なスペックは後日明らかになると思われますが、現状で判明している相違点を下記にまとめます。
- CPU性能が1.5GHzのPi4と比較して約2倍の2.4GHzに
- CPUコアもArm Cortex-A76 4コアへと刷新
- MIPIインターフェースにてディスプレイやカメラ等の同じ機器を初めて2つ同時に接続可能に
- microHDMIがHDRに対応
- PCIe 2.0 x1 (シングルレーン)の登場
- USBポート数は変わらないものの、通信帯域が2倍以上に拡張され2つのUSB3.0ポートで同時に5Gbpsの通信が可能に
- SD Cardの最大通信速度が従来の2倍となる104Mb/sに向上
- M.2 NVMe SSDの拡張に対応(別途Raspberry Pi 5 M.2 HAT)
- RTC(Real Time Clock)モジュールの搭載
- Blueotooth5.0 LE(LowEnergy)に新しく対応
- CPUクーラーソケットの導入
- 電源ボタンの追加
- Pi4の5V3Aから推奨電源出力が5V5Aに上昇
CPU性能が大幅進化してPi 4 modelB の倍以上のパフォーマンスを発揮するとの噂だよ!
実際の使用感に関する情報はまだ殆どありませんが、新しくCPUクーラー用のソケットも導入されたことから、スペックをフル活用するには冷却ファンの使用が推奨されるようです。
先日行ったMFT2023ではKSYさんとスイッチサイエンスさんのブースでデモ品が展示されていました。
めちゃくちゃかっこいい..!
4極ジャックが廃止され音声出力はHDMIからがメインとなったり、推奨電力が5Aとなってどこの稲妻系独自規格ケーブルだよという声が聞こえてきそうですが、まだ確定していない無線規格についての情報を差し引いても、その他の性能が全体的にレベルの高い合格点をオールウェイズ出してくれていたPi4 Model Bから更に大きく進化している点を踏まえると、今後ラズパイ業界のホープとなることは間違いないでしょう。
スイッチサイエンスさんの記事で、Raspberry Pi 5の実機レビューが行われていますのでより詳しい情報が気になる方はご覧ください!
気になるお値段や発売時期については、国内では未定とのことなので情報が入り次第更新します。
→Amazonでも取り扱い開始されました!価格も適性範囲内で現在入手可能となっています。
売り切れが予測されるので、欲しい方はお早めに購入オススメします!(2024/02/20時点)
これだけの機能でこの低価格を実現したのは凄すぎる..!
Raspberry Pi Model Bシリーズ発売モデル一覧
Model Bシリーズの国内の発売時期系列は以下になります。
- Raspberry Pi4 Model B(2019年6月発売)
- Raspberry Pi3 Model B+(2018年3月発売)
- Raspberry Pi3 Model B(2016年2月発売)
- Raspberry Pi2 Model B V1.2(発売日不明)
- Raspberry Pi2 Model B(2015年2月発売)
- Raspberry Pi(1) Model B+(2014年7月発売)
- Raspberry Pi(1) Model B(2012年2月発売)
現在、日本に在庫があるのが、Raspberry Pi3 Model B以降のモデルがほとんどなのでそれ以前のモデルの解説は割愛しています。
Raspberry Pi4 Model B(2019年6月発売)
Raspberry Pi4 Model Bは現行で一番新しいモデルで、2019年6月に発売されました。
スペックは下記のとおりです。
スペック | Raspberry Pi3 Model B+ | Raspberry Pi4 Model B |
---|---|---|
メモリ | 1GB | 1GB,2GB,4GB,8GBから選択可能 |
SoC | Broadcom BCM2837B0 | Broadcom BCM2711 |
CPU | ARM Cortex-A53 1.4 GHz クアッドコア | ARM Cortex-A72 1.5GHz クアッドコア |
GPU | Broadcom VideoCore IV DualCore 400MHz OpenGL ES 2.0対応 | Broadcom VideoCore VI Dual Core 500MHz OpenGL ES 3.0対応 |
映像 | HDMIポート x 1 3.5mmジャック MIPI DSI | micro HDMI(4K対応)×2 3.5 mm ジャック MIPI DSI |
音声 | 3.5 mm ジャック HDMI I²S | 3.5 mm ジャック micro-HDMI I²S |
有線LAN | 300 Mbps イーサネット(USB 2.0経由) | 10/100/1000 Mbps イーサネット |
無線LAN | 2.4GHz and 5GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac | 2.4GHz and 5GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac |
GPIO | 40ピン | 40ピン |
Bluetooth | 4.2対応 | 5.0対応 |
USB | USB2.0 x 4個 | USB2.0 x 2個 USB3.0 x 2個 |
電源 | microUSB Type-B | USB Type-C |
推奨電力 | 5V 2.5A(12.5W) | 5V 3.0A(15W) |
前モデル(Raspberry Pi3 Model B+)からの注目の変更点は、
- メモリ1BG~最大8GBへ
- CPU性能の向上
- Bluetooth4.2~5.0へ
- デュアルディスプレイで4Kに対応
- USB3.0搭載
等が主です。
2018年に発売した前モデルのCPUはクアッドコアの1.4GHzから1.5GHzにスペックアップしています。
たった0.1GHzですが、CPUベンチマークで比較すると性能差は約1.5倍です。
また、映像出力がHDMIポート1つからmicroHDMIポート2つに増え、デュアルディスプレイに対応し、4Kにも対応しました。
メモリも1GBから最大8GBまで増設されたので、同時に処理できるタスクも増えています。
Raspberry Pi3 Model B+(2018年3月発売)
続いて2018年3月に発売されたRaspberry Pi3 Model B+について解説していきます。
スペックは下記のとおりです。
スペック | Raspberry Pi3 Model B+ | Raspberry Pi4 Model B |
---|---|---|
メモリ | 1GB | 1GB,2GB,4GB,8GBから選択可能 |
SoC | Broadcom BCM2837B0 | Broadcom BCM2711 |
CPU | ARM Cortex-A53 1.4 GHz クアッドコア | ARM Cortex-A72 1.5GHz クアッドコア |
GPU | Broadcom VideoCore IV DualCore 400MHz OpenGL ES 2.0対応 | Broadcom VideoCore VI Dual Core 500MHz OpenGL ES 3.0対応 |
映像 | HDMIポート x 1 3.5mmジャック MIPI DSI | micro HDMI(4K対応)×2 3.5 mm ジャック MIPI DSI |
音声 | 3.5 mm ジャック HDMI I²S | 3.5 mm ジャック micro-HDMI I²S |
有線LAN | 300 Mbps イーサネット(USB 2.0経由) | 10/100/1000 Mbps イーサネット |
無線LAN | 2.4GHz and 5GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac | 2.4GHz and 5GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac |
GPIO | 40ピン | 40ピン |
Bluetooth | 4.2対応 | 5.0対応 |
USB | USB2.0 x 4個 | USB2.0 x 2個 USB3.0 x 2個 |
電源 | microUSB Type-B | USB Type-C |
推奨電力 | 5V 2.5A(12.5W) | 5V 3.0A(15W) |
最新モデルとの違いをまとめてみました。スペックが優れている方を太字にしております。
表にしてみると、Pi3の方がほとんどの部分でグレードダウンしていることがわかりますが、購入するかは落としどころを作れるかです。
モデルが古くなれば、プレミア価格が付かない限りは安くなるのは当たり前ですが、本記事を編集している時点で「Pi3 Model B+」と「Pi 4Model B」の価格差はほぼ変わりません。
最新モデルを1つ購入する価格で前モデルが2つ購入できるので、自分の作りたい作品の必要スペックを考えてどのモデルを購入するか参考にしてください。
やはりスペックについては4Bに軍配が上がります。
なので、同時に複数のプログラムを動かすような作品や、レスポンスの速さが大事になってくる作品を制作する場合は、最新モデルを購入された方が無難です。
しかし、LEDやサーボモーターなどを使った実験や、電子工作のサンプル作りなど、あまり重いプラグラムを動作しないのであれば、Model B+で安く済ませる方法もあります。
Raspberry Pi3 Model B(2016年2月発売)
続いて2016年2月に発売されたモデル、Raspberry Pi3 Model Bについて解説していきます。
スペックは下記のとおりです。
スペック | Raspberry Pi3 Model B | Raspberry Pi3 Model B+ |
---|---|---|
メモリ | 1GB | 1GB |
SoC | Broadcom BCM2837 | Broadcom BCM2837B0 |
CPU | ARM Cortex-A53 1.2GHz クアッドコア | ARM Cortex-A53 1.4 GHz クアッドコア |
GPU | Broadcom VideoCore IV 400 MHz OpenGL ES 2.0対応 | Broadcom VideoCore IV DualCore 400MHz OpenGL ES 2.0対応 |
映像 | HDMIポート x 1 | HDMIポート x 1 MIPI DSI |
音声 | 3.5 mm ジャック HDMI I²S | 3.5 mm ジャック HDMI I²S |
有線LAN | 300 Mbps イーサネット(USB 2.0経由) | 300 Mbps イーサネット(USB 2.0経由) |
無線LAN | 2.4GHz and 5GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac | 2.4GHz and 5GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac |
GPIO | 40ピン | 40ピン |
Bluetooth | 4.2対応 | 4.2対応 |
USB | USB2.0 x 4個 | USB2.0 x 4個 |
電源 | microUSB Type-B | microUSB Type-B |
推奨電力 | 5V 2.5A(12.5W) | 5V 2.5A(12.5W) |
1つ後のモデルとの違いをまとめてみました。スペックが優れている方を太字にしております。
編集時で在庫は非常に少なく、また、現在は生産されていないため、入手は少し困難なモデルです。
価格は、前述したRaspberry Pi3 Model B+とほぼ変わりません。
ですので、余程何らかの理由が無い限り、基本的には Pi3 Model B+を購入していただくのが無難だと思われます。
「どうしても手元に全てのラズパイを揃えておきたい!」という、熱狂的なRaspberry Piコレクターの方は、購入してみるのも良いかもしれません。
Raspberry Pi Model Aシリーズ発売モデル一覧
- Raspberry Pi3 Model A+(2018年11月発売)
- Raspberry Pi(1) Model A+(2014年11月発売)
- Raspberry Pi(1) Model A(2013年2月発売)
Raspberry Pi Model Aシリーズは、高性能バリエーションであるModel Bの逆で、低価格、最小構成の廉価版シリーズとなります。
Model AとBの1番の違いは、Model Aの方が横幅が2cmほど小さく、さらに消費電力を抑えた設計をしています。
サイズ縮小に伴い、USBポートの数やメモリなど、スペックの一部はModel Bよりも低いですが、価格はどのストアでもModel Bの半額~3/4程度の価格となっております。
現在日本で取り扱いがあるモデルはRaspberry Pi3 Model A+のみなので、それ以外の製品についての説明は割愛いたします。
Raspberry Pi3 Model A+(2018年11月発売)
続いて2018年11月発売のモデルRaspberry Pi3 Model A+について解説します。
スペックは下記のとおりです。
スペック | Raspberry Pi3 Model A+ | Raspberry Pi3 Model B+ |
---|---|---|
メモリ | 512MB | 1GB |
SoC | Broadcom BCM2837B0 | Broadcom BCM2837B0 |
CPU | ARM Cortex-A53 1.4GHz クアッドコア | ARM Cortex-A53 1.4 GHz クアッドコア |
GPU | Broadcom VideoCore IV 400 MHz OpenGL ES 2.0 | Broadcom VideoCore IV 400MHz OpenGL ES 2.0 |
映像 | HDMIポート x 1 | HDMIポート x 1 |
音声 | 3.5 mm ジャック HDMI I²S | 3.5 mm ジャック HDMI I²S |
有線LAN | なし | 300 Mbps イーサネット(USB 2.0経由) |
無線LAN | 2.4GHz and 5GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac | 2.4GHz and 5GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac |
GPIO | 40ピン | 40ピン |
Bluetooth | 4.2対応 | 4.2対応 |
USB | USB2.0 x 1個 | USB2.0 x 4個 |
電源 | microUSB Type-B | microUSB Type-B |
推奨電力 | 5V 2.5A(12.5W) | 5V 2.5A(12.5W) |
発売時期の近い(3B+)との違いをまとめてみました。スペックが優れている方を太字にしております。
小型モデルなので、USB等どうしても接続できる機器の数が少なくなってしまうという所がネックですが、USBとBluetooth、無線LANの最低限の接続性能を持ったまま、本体サイズの縮小を実現しているため、設置コストを抑えたいIoT製作などでは優秀という側面も持ちます。
省サイズのIoT開発を試みる場合は、下記に続く「Raspberry Pi Zero」シリーズとスペックを比較して購入することをおすすめします。
Raspberry Pi Zero発売モデル一覧
- Raspberry Pi Zero 2 W(2022年6月発売)
- Raspberry Pi Zero WH(2018年1月発売)
- Raspberry Pi Zero W(2017年2月発売)
- Raspberry Pi Zero(2015年11月発売)
Raspberry Pi Model Aシリーズよりもさらに小型になったモデルがRaspberry Pi Zeroシリーズです。
Zeroシリーズのサイズが65 mm × 30 mmで、Raspberry Pi 3 Model A+ のサイズが65 mm × 56.5 mmなのでPi3,4シリーズの半分の大きさくらいのサイズ感です。
最大の利点はその小ささとなっているので、狭いスペースでの利用など想定している人はこのシリーズを検討しましょう。
Raspberry Pi Zero 2 W(2022年6月発売)
実はまだ日本の電波法の認証が通っておらず発売されていません。(2022年3月記事執筆時点)海外(編集時点でヨーロッパ、米国、カナダ、香港)では発売されているのですが、日本でまだ手に入れることは難しいです。
→こちら無事技適が通り、2022年6月21日より国内販売が開始されました。
ただ、他のラズベリーパイ同様発売初日に完売してしまったみたいです。その後ちょくちょく再入荷しているみたいですが..。
Raspberry Pi Zero 2 Wの国内販売価格は価格は2,508円とのことなので、正規代理店なども参照し、それよりも逸脱した価格の商品には注意してください。
スペックは以下の通りです。
スペック | Raspberry Pi Zero 2 W | Raspberry Pi4 Model B |
---|---|---|
メモリ | 512MB | 1GB,2GB,4GB,8GBから選択可能 |
SoC | RP3A0 (Broadcom BCM2710A1 + メモリ) | Broadcom BCM2711 |
CPU | ARM Cortex-A53 1.0GHz クアッドコア | ARM Cortex-A72 1.5GHz クアッドコア |
GPU | Broadcom VideoCore IV 250 MHz OpenGL ES 2.0 | Broadcom VideoCore VI Dual Core 500MHz OpenGL ES 3.0 |
映像 | mini-HDMIポート x 1 | micro-HDMIポート x 2 4K対応 |
音声 | mini-HDMI I²S | 3.5 mm ジャック micro-HDMI I²S |
有線LAN | なし | Gigabit Ethernet |
無線LAN | IEEE 802.11.b/g/n/ac | 2.4GHz and 5GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac |
GPIO | 40ピン | 40ピン |
Bluetooth | 4.2対応 | 5.0対応 |
USB | USB2.0(microUSB) x 1個 | USB2.0 x 2個 USB3.0 x 2個 |
電源 | microUSB Type-B | USB Type-C |
推奨電力 | 5V 2.5A(12.5W) | 5V 3.0A(15W) |
大きさはかなり違いますが、現行のハイエンドモデルRaspberry Pi4 Model Bと比較し、スペックが優れている方を太字にしております。
スペックはどちらかというとRaspberry Pi 3に近く、同じCPUが載っています。
つまりほぼスペックを変えず、2015~2016年あたりのRaspberry Piを小型化したようなものなのでRaspberry Pi 3を使ったご経験がある方でしたら、使用感はほぼ変わらないのではないと思われます。
Raspberry Pi Zero WH(2018年1月発売)
2018年1月発売のモデルRaspberry Pi Zero WHについて解説します。
スペックは下記のとおりです。
スペック | Raspberry Pi Zero WH | Raspberry Pi Zero 2 W |
---|---|---|
メモリ | 512MB | 512MB |
SoC | Broadcom BCM2835 | RP3A0 (Broadcom BCM2710A1 + メモリ) |
CPU | ARM1176JZF-S 1.0GHz シングルコア | ARM Cortex-A53 1.0GHz クアッドコア |
GPU | Broadcom VideoCore IV 250 MHz OpenGL ES 2.0 | Broadcom VideoCore IV 250 MHz OpenGL ES 2.0 |
映像 | mini-HDMIポート x 1 | mini-HDMIポート x 1 |
音声 | mini-HDMI I²S | mini-HDMI I²S |
有線LAN | なし | なし |
無線LAN | IEEE 802.11 b/g/n 2.4 GHz | IEEE 802.11.b/g/n/ac |
GPIO | 40ピン | 40ピン |
Bluetooth | 4.1対応 | 4.2対応 |
USB | USB2.0(microUSB) x 1個 | USB2.0(microUSB) x 1個 |
電源 | microUSB Type-B | microUSB Type-B |
推奨電力 | 5V 1.2A(6.0W) | 5V 2.5A(12.5W) |
最新モデルと比べて優れている部分は太字にしております。
やはり動作に一番気になるのはCPUではないでしょうか。
最新モデルのZero 2 Wがクアッドコアなのに対し、WHはシングルコアなので若干見劣りはしますが超小型PCとしては、優秀なサイズ・価格・スペックの3拍子が揃っていると言えるでしょう。
参考価格はそこまで差がないので、Zero 2 Wが入手困難で困っている人はこちらを比較し購入をご検討すると良いかと思います。
Raspberry Pi Zero W(2017年2月発売)
2017年2月発売のモデルRaspberry Pi Zero Wについて解説します。
スペックは下記のとおりです。
スペック | Raspberry Pi Zero W | Raspberry Pi Zero WH |
---|---|---|
メモリ | 512MB | 512MB |
SoC | Broadcom BCM2835 | Broadcom BCM2835 |
CPU | ARM1176JZF-S 1.0GHz シングルコア | ARM1176JZF-S 1.0GHz シングルコア |
GPU | Broadcom VideoCore IV 250 MHz OpenGL ES 2.0対応 | Broadcom VideoCore IV 250 MHz OpenGL ES 2.0対応 |
映像 | mini-HDMIポート x 1個 | mini-HDMIポート x 1個 |
音声 | mini-HDMI I²S | mini-HDMI I²S |
有線LAN | なし | なし |
無線LAN | 2.4GHz IEEE 802.11 b/g/n | 2.4GHz IEEE 802.11 b/g/n |
GPIO | 40ピン | 40ピン |
Bluetooth | 4.1対応 | 4.1対応 |
USB | USB2.0(microUSB) x 1個 | USB2.0(microUSB) x 1個 |
電源 | microUSB Type-B | microUSB Type-B |
推奨電力 | 5V 1.2A(6.0W) | 5V 1.2A(6.0W) |
1つ後のモデルとの違いをまとめてみました。
実は名前に「H」のつかないモデルは、「H」がつくモデルと、スペック上は同等のものとなります。
どこが変化しているかというと、GPIOのピンが初めからハンダ付けしてあるかどうかの違いのみです。
もちろん、初めからハンダ付けしてあればジャンパー線を直につけることが可能ですが、その分本体に厚みが出てしまいます。
小型のRaspberry Piには、それだけ省スペースのスペックが要求されます。
「どうしても薄さが必要」「銅線を直付けするからピンが必要ない」「カメラ機能のみを使う」という人は「H」のつかないZero Wモデルの購入をおすすめします。
Raspberry Pi Zero(2015年11月発売)
2015年11月発売の初期モデル、Raspberry Pi Zeroについて解説します。
スペックは下記のとおりです。
スペック | Raspberry Pi Zero | Raspberry Pi ZeroW |
---|---|---|
メモリ | 512MB | 512MB |
SoC | Broadcom BCM2835 | Broadcom BCM2835 |
CPU | ARM1176JZF-S 1.0GHz シングルコア | ARM1176JZF-S 1.0GHz シングルコア |
GPU | Broadcom VideoCore IV 250 MHz OpenGL ES 2.0対応 | Broadcom VideoCore IV 250 MHz OpenGL ES 2.0対応 |
映像 | mini-HDMIポート x 1個 | mini-HDMIポート x 1個 |
音声 | mini-HDMI I²S | mini-HDMI I²S |
有線LAN | なし | なし |
無線LAN | なし | 2.4GHz IEEE 802.11 b/g/n |
GPIO | 40ピン | 40ピン |
Bluetooth | なし | 4.1対応 |
USB | USB2.0 : microUSB 1個 | USB2.0 : microUSB 1個 |
電源 | microUSB Type-B | microUSB Type-B |
推奨電力 | 5V 1.2A(6.0W) | 5V 1.2A(6.0W) |
1つ後のモデルとの違いをまとめてみました。スペックが優れている方を太字にしております。
Zeroの無印はBluetoothやWi-Fi接続に対応していないため、電子回路を制御する機能しか持っていないと言って問題ありません。
ですので製作できるものの範囲が狭まってしまうことは仕方がないでしょう。
ただ無印のZeroから、WHまでの3年間CPUやGPUのスペックが変わっていなかったということが驚きです。
こちらの商品はかなり古いモデルになるので、入手はほぼ困難かと思います。
Raspberry Pi Pico発売モデル一覧
- Raspberry Pi Pico W / PicoWH(2023年3月発売)
- Raspberry Pi Pico / Pico H(2021年2月発売)
Raspberry Pi Picoシリーズは、他のRaspberry Piとは少し異なり、パソコン(シングルボード/パーソナルコンピューター)ではなくマイコン(マイクロコンピューター)と呼ばれる、より電子工作向けの用途に特化したArduinoの様なデバイスになります。
マイコンなのでOSがないよ!
Raspberry Pi Pico W/Pico WH(2023年3月発売)
Raspberry Pi PicoW / PicoWHは、後述の初期モデル、Raspberry Pi Pico/ Hに無線LAN機能とWiFi機能を搭載したモデルです。
Raspberry pi Zero同様、Hがつくモデルははんだ付け済みのモデルとなります。
なので以下の通り、無線通信以外の本機のスペックとの違いはありません。
スペック | Raspberry Pi Pico/Pico H | Raspberry Pi Pico W/Pico WH |
---|---|---|
フラッシュメモリ | 2MB Quad-SPI | 2MB Quad-SPI |
MCU | RP2040 | RP2040 |
CPU | Arm Cortex-M0+プロセッサ 133MHz デュアルコア | Arm Cortex-M0+プロセッサ 133MHz デュアルコア |
RAM | 256KB | 256KB |
USB | USB1.1:microB 1個 | USB1.1:microB 1個 |
GPIO | 26ピン | 26ピン |
推奨電源 | 1.8V ~ 5.5V | 1.8V ~ 5.5V |
無線LAN | なし | IEEE 802.11b/g/n |
大きな特徴は、やはりその通信機能の有無です。
マイコン(マイクロコンピューター)とは、本体にOSなどがなく、別途事前にPCなどから書き込み、記録されたプログラムを実行するだけのコンピューターのことです。そのため、普通のRaspberry Piのように、OS上で何らかのアプリケーションを制御、操作したりするのではなく、予め記述したプログラムのみを記録、実行することで、GPIOに接続された他のデバイスとのやり取りを行います。
本モデルは無線LAN機能を搭載している為、プログラムの遠隔での書き込み、離れた場所のセンサーデータの取得、あるいは遠隔でのサーボモーター動作などが可能になります。
機能が最小限な分、非常に小型で、大きさは 21×51.3×3.9mm、重さは約3gしかありません。
必要最低限の機能・サイズでモノ作りを行いたい場合に選択肢の一つになるでしょう。
動作自体は予めコンパイルした内容に限定されますが、1,200円前後という安価かつ、無線通信を利用した遠隔接続が可能なことから、OS不要の組み込み開発として真価を発揮するやや上級者向けモデルと言えます。家の中をIoT化したい!という方にオススメです。
Raspberry Pi Pico/Pico H(2021年2月発売)
Raspberry Pi Pico / Pico Hは、無線機能を持たないRaspberry Piマイコンです。
上項PicoW/Pico WHの段で説明した通り、その他の本機スペックはPico/PicoHと変わりありません。
スペック | Raspberry Pi Pico/Pico H | Raspberry Pi Pico W/Pico WH |
---|---|---|
フラッシュメモリ | 2MB Quad-SPI | 2MB Quad-SPI |
MCU | RP2040 | RP2040 |
CPU | Arm Cortex-M0+プロセッサ 133MHz デュアルコア | Arm Cortex-M0+プロセッサ 133MHz デュアルコア |
RAM | 256KB | 256KB |
USB | USB1.1:microB 1個 | USB1.1:microB 1個 |
GPIO | 26ピン | 26ピン |
推奨電源 | 1.8V ~ 5.5V | 1.8V ~ 5.5V |
無線LAN | なし | IEEE 802.11b/g/n |
Pico Wとの相違点は、前述の通り通信機能の有無です。
一見デメリットに感じますが、このRaspberry Pi Picoは本体価格がPicoWよりもおよそ300円ほど安い900円程度で販売されており、大量に利用したい際のユースケースとしては有用な選択肢となります。
その為、WiFiなどの通信環境を必要としない用途や、「とにかく大量に安くマイコンが欲しい!」という方におすすめできる、最も安価且つシンプルなモデルです。
ただ、シンプルということはやりたい機能に合わせてそれだけ必要な拡張パーツをはんだ付けのレベルから足していく必要があるので、こちらもやはりPicoW/WHと同様上級者向けモデルであるといえます。
「OSがいらないから最小限構成のマイコンが欲しい」「とにかく大量に安価のマイコンを買いたい」という人は買ってみても良いかもしれません。
Raspberry Pi 400
Raspberry Pi 400は2021年7月と比較的最近登場したシリーズで、今の所こちらの一機種のみ商品展開されています。
大きな特徴としては、Raspberry pi 初のキーボードと一体化したPCとなっており、モニタとケーブルさえあればどこでもラズベリーパイを楽しむことが出来ます。
スペックは以下の通りです。
スペック | Raspberry Pi 400 | Raspberry Pi4 Model B |
---|---|---|
メモリ | 4GB | 1GB,2GB,4GB,8GBから選択可能 |
SoC | Broadcom BCM2711C0 | Broadcom BCM2711 |
CPU | ARM Cortex-A72 1.8GHz クアッドコア | ARM Cortex-A72 1.5GHz クアッドコア |
GPU | Broadcom VideoCore VI Dual Core 500MHz OpenGL ES 3.0 | Broadcom VideoCore VI Dual Core 500MHz OpenGL ES 3.0 |
映像 | micro-HDMIポート x 2個 4K対応 | micro-HDMIポート x 2個 4K対応 |
音声 | micro-HDMI I²S | 3.5 mm ジャック micro-HDMI I²S |
有線LAN | 10/100/1000 Mbps イーサネット | 10/100/1000 Mbps イーサネット |
無線LAN | 2.4GHz and 5GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac | 2.4GHz and 5GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac |
GPIO | 40ピン | 40ピン |
Bluetooth | 5.0対応 | 5.0対応 |
USB | USB2.0 : 1個 USB3.0 : 2個 | USB2.0 : 2個 USB3.0 : 2個 |
電源 | USB Type-C | USB Type-C |
推奨電力 | 5V 3.1A(15.3W) | 5V 3.0A(15W) |
モデルは異なりますが、現行のハイエンドモデルRaspberry Pi4 Model Bとスペックが近しい為、そちらと比較し優れている方を太字にしています。
スペックの特徴はCPUのクロック周波数が400の方が0.3GHz高いことです。
やはり、本体が大きくなるほど冷却の面も優れる傾向にあるので、クロック周波数を上げてもスムーズに排熱ができます。
デメリットとしては、モノを作る場合にRaspberry Pi 400自体の大きさがネックになってしまうことが挙げられます。キーボードを使用する前提の用途ならば問題ないですが、所謂IoTデバイスと呼ばれるものだと、あくまでセットアップや開発の時のみ繋げて使用されることが多いので、切り離せず現場には不向きといえるでしょう。
ただ、その分モニタと出力ケーブルさえあれば別途キーボードを用意する必要がなくどこでも作業ができるので、Raspberry Piの学習には最適なシリーズといえるでしょう。
2022/03月現在、Picoのようなマイコンを除き日本国内で定価で入手できるRaspberry piはこの商品のみとなります。 →現在は解消傾向にありますが、一部製品は品薄が続いています。(2023/09/07追記)
Pi400を使えばブレッドボードに実際にモジュールを接続しながらテストプログラムをすぐに動作させることができますし、試作品開発や手軽に環境構築してラズパイを学びたい人には大変オススメのできる機種です。
Raspberry Pi Compute Module
出典:https://www.amazon.co.jp/
Raspberry Pi ComputeModuleは、Raspberry Piの組み込み型モデルとして発売されているシリーズです。
特徴としては、単体ではなく外付けのI/Oボードに搭載することによって初めて動作し、同じCPUを使い、入力ボードの入れ換えができるモデルとなっております。
例えば、サードパーティ製のI/Oボード用いることで、Raspberry PiのOSを使用しながら、複数カメラの接続やイーサネットケーブルの複数接続など、より専門的な用途に応じたデバイスの作成が可能になります。
ComputeModule本体のスペックは以下の通りです。
スペック | Raspberry Pi Compute Module4 eMMC | Raspberry Pi Compute Module4 Lite | Raspberry Pi Compute Module3+ | Raspberry Pi Compute Module3 Lite |
---|---|---|---|---|
メモリ | LPDDR4-3200 1GB~4GB | LPDDR4-3200 1GB~4GB | DDR2 450MHz 1GB | DDR2 450MHz 1GB |
SoC | Broadcom BCM2711 | Broadcom BCM2711 | Broadcom BCM2837B0 | Broadcom BCM2837 |
CPU | Cortex-A72 1.5GHz クアッドコア | Cortex-A72 1.5GHz クアッドコア | Cortex-A53 1.2 GHz クアッドコア | Cortex-A53 1.2 GHz クアッドコア |
GPU | Broadcom VideoCore VI DualCore 500MHz OpenGL ES 3.0対応 | Broadcom VideoCore VI DualCore 500MHz OpenGL ES 3.0対応 | Broadcom VideoCore IV DualCore 400MHz OpenGL ES 2.0対応 | Broadcom VideoCore IV DualCore 400MHz OpenGL ES 2.0対応 |
映像 | なし | なし | なし | なし |
音声 | なし | なし | なし | なし |
有線LAN | なし | なし | なし | なし |
無線LAN | 2.4/5GHz IEEE 802.11 b/g/n/ac | 2.4/5GHz IEEE 802.11 b/g/n/ac | なし | なし |
GPIO | なし | なし | なし | なし |
Bluetooth | 5.0対応 | 5.0対応 | なし | なし |
USB | なし | なし | なし | なし |
電源 | なし | なし | なし | なし |
消費電力 | (+5V) | (+5V) | (+5V) | (+5V) |
映像系統や音声系統の入力は全てI/Oボード依存のため、ComputeModule本体には搭載されていませんが、その他の性能は元系統のPi3,Pi4と同様のスペックとなります。
また、CM4はバリエーションが豊富なのも一つの特徴であり、メモリ容量の他、eMMC(オンボードフラッシュメモリ)の容量は、0(非搭載)~最大32GBまで、また、無線の搭載の有無を選択することも可能です。
デメリットとして、本体と入力ボードが別なため、ComputeModule本体のみの動作はできない他、別々に購入する必要があることから必然的に他のRaspberry Piと比べて価格は上昇傾向にあります。
しかし、サードパーティのI/Oボード次第では、無限の可能性を秘めたシリーズと言えるでしょう。
もちろん、公式サポートのI/Oデバイスを使用すれば、メモリの換装可能なRaspberry Piとして使用も可能です。しかし、サードパーティ製のI/Oボードを使用する場合は、実装難易度は必然的に高くなるため、用途により拡張的な使用方法を要求する上級者向けのモデルをお求めの方はオススメです。
Element14製とRS(OKdo)製の違いについて
Raspberry Piの商品を探していると、時々「element14」と名のつくモデルが見つかるときがあります。
Raspberry Piは、基板設計元であるRaspberry Pi財団が所有する会社「OKdo」と、Raspberry Pi財団が生産権を供与している「element14」の2つの会社がRaspberry Piの生産を行っており、そのうちelement14社が生産したモデルについては、上述の名前が付きます。
両社はどちらもRaspberry Pi財団が設計した同じ基盤を生産しており、内部での使用部品やシルク印刷のやり方など生産ラインとしての製造工程は異なるものの商品としてのスペックは同じなため、特別な理由はない限り、気にしなくても大丈夫です。
そもそもそうでないと生産権は付与して貰えないからね。
Raspberry Piのシリーズ比較・紹介まとめ
Raspberry Piシリーズを比較した結論です。
候補としては、主に上記の5種類になると思います。
電子工作入門として非常に有能なRaspberry Piですが、新型コロナや世情による半導体不足の影響などにより、現在も継続して価格が高騰しやすくなっています。
今後も価格が上がり続けるのか、はたまた下がるのかは今のところ未知数ですが、自分が買いたいと思うタイミングでなるべく安く購入できるのが理想ですね。
品薄?価格高騰?どこで売ってる?
通販(オンライン販売)ですと、Amazonやスイッチサイエンスなどが主流です。
店頭(オフライン販売)なら、秋葉原の千石や秋月、Marutsuなどでしょうか。
(2022/03追記)最近だとモノタロウにて品薄ながらほぼ定価の価格にて販売されているようです!流通が今年も少ない見込みなので、欲しい方はお見逃しなく! ⇒入荷未定となってしまいました。
(2023/08追記)秋葉原いったついでに諸店舗の値段相場をみてきました。Zero2Wが1万円はビックリ!
店頭でこの価格なので、半導体不足等の背景事情からAmazonの値段も転売ヤー価格ではなく市場価格なのかもしれません。。
まさかのRaspberry Pi 1 ModelBを発見
ついでに歩き回ってたら、ラズパイ1をみつけました。
生きた化石じゃん・・!
ただ、かなり壊れやすく年季モノということもあり、「買わない場合は触らないで」という書き込みがあったので小一時間眺め「記念品」として買うか悩んだ末に帰りました。買わないんかい
必要な人のもとに渡ることを望みたいので、買わないのに安易に触れたり必要以上に買い占めたりして転売するようなことはやめましょう。
発売当時の価格より総じて値上がりはしているものの、在庫流通は復活してきているようですし、早く値段と生産量が落ち着くことを願いたいですね。
それではお読みいただきありがとうございました!