概要 🧘
牛飼いのポーズ
Cowherd Pose(カウハード・ポーズ)
गोरक्षासन(ゴーラクシャーサナ)
牛飼いのポーズは、両足の裏を合わせて足首を体の下に引き込み、膝を床へ近づけて深く股関節を開く、瞑想に用いられる座位のポーズです。サンスクリット名のゴーラクシャーサナは「牛飼い(goraksha)」「ポーズ(asana)」に由来し、ナータ派ヨガの祖とされる聖者ゴーラクナートの名にちなむと伝えられています。
ハタヨガの古典『ハタヨガ・プラディーピカー』や『ゲーランダ・サンヒター』にも記される瞑想座法の一つで、両足の裏を合わせて足首を会陰の近くに引き込み、長く座っても安定する土台をつくります。よく似た名前の牛の顔のポーズ(ゴームカーサナ)とは別物で、こちらは足を顔のように組むのではなく、足裏を合わせて骨盤底を意識する座位である点が異なります。
効果 ✨
働く主な筋肉・部位
- ●股関節外旋筋群(梨状筋・内閉鎖筋)
- ●内転筋群(大内転筋・薄筋)
- ●腓腹筋(内側頭・外側頭)
- ●前脛骨筋
- ●骨盤底筋群(肛門挙筋・尾骨筋)
期待できる効果
- ●股関節の柔軟性 — 足裏を合わせて膝を床へ近づけることで、内ももや股関節まわりの開きが養われるとされます。
- ●足首の柔軟性 — 足首を深く曲げて体の下に引き込むため、足首やすねの伸びにつながるとされます。
- ●骨盤底への意識 — 会陰を引き上げる感覚が促され、骨盤底筋への意識を高めるのに用いられるとされます。
- ●姿勢の安定 — 長く座っても崩れにくい土台がつくられ、瞑想や呼吸法の姿勢を保ちやすくなるとされます。
- ●心の落ち着き — 静かに座り呼吸を整えることで、気持ちを鎮めるのに役立つとされます。
やり方 🦶
1床に座り、両ひざを左右に開いて足の裏どうしを合わせ、合蹠(がっせき)の形をつくります。
2合わせた足のかかとを少しずつ体の方へ引き寄せ、両ひざが床に近づくように股関節をゆるめます。
3足首を深く曲げ、両方のくるぶしを体の下(会陰の手前あたり)へ静かに引き込むように位置を整えます。無理に押し込まず、足首やひざが痛まない範囲にとどめます。
4坐骨で床をとらえ、背すじを軽く引き上げて骨盤を立て、頭頂まで一本の線が通るように上体を整えます。
5両手はひざの上、または胸の前で合掌するなど、楽な位置に置きます。
6肩の力を抜いてあごを軽く引き、ゆったりと呼吸を続けながら無理のない時間だけ保ちます。ほどくときは足首から丁寧に外し、両脚を前に伸ばして休みます。
注意・禁忌 ⚠️
- ●ひざ・足首に痛みやケガがある方は行わないでください。足首を深く曲げて体の下に引き込むため、関節への負担が大きくなりやすいとされます。
- ●股関節に不調のある方や可動域が狭い方は、膝を無理に床へ押し下げず、お尻の下にクッションを敷いて高さを補ってください。
- ●足のしびれを感じたら長く座り続けず、いったん脚を伸ばして血流を戻してから再開してください。
- ●痛みや強い違和感を覚えたら直ちに中止し、必要に応じて医師に相談してください。
軽減法・発展形 🔧
軽減法(やさしくする)
足首を体の下に引き込むのが難しい場合は、合蹠(足裏合わせ)のまま膝を開いて座る形にとどめ、股関節の開きを少しずつ養います。
骨盤が後ろに倒れて背中が丸まる場合は、折りたたんだブランケットやクッションをお尻の下に敷き、坐骨を高くして骨盤を立てやすくします。
発展形(さらに深める)
姿勢が安定してきたら、両手を胸の前で合掌し、ゆったりした呼吸の数を少しずつ増やして保持時間を延ばします。

