概要 🧘
ハヌマーンのポーズ
Monkey Pose(モンキーポーズ)
हनुमानासन(ハヌマーンアーサナ)
ハヌマーンのポーズは、両脚を前後に大きく開き、床に近づけていく、いわゆる「前後開脚」を完成形とする、股関節ともも裏の高い柔軟性を要する上級ポーズです。サンスクリット名のハヌマーンアーサナは、インド神話に登場する猿神ハヌマーンに由来し、ハヌマーンが海を一足で飛び越えたという伝説の、その大きな跳躍の姿に見立てて名付けられたとされます。日本では前後開脚や猿神のポーズとも呼ばれます。
左右に開く開脚(開角座)とは異なり、片脚を前方へ、もう片脚を後方へ伸ばす前後方向の開脚である点が特徴です。中世のハタヨガ文献には見られず、20 世紀の近代ヨガのなかで広まったポーズとされ、ハムストリングス・股関節まわりの十分な柔軟性と段階的な準備を前提とする上級ポーズです。
効果 ✨
働く主な筋肉・部位
- ●ハムストリングス(半腱様筋・半膜様筋・大腿二頭筋)
- ●腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)
- ●内転筋群(大内転筋・薄筋)
- ●大殿筋
- ●下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)
期待できる効果
- ●もも裏の柔軟性 — 前脚のハムストリングスが大きく伸び、前後開脚の可動域を広げるのに役立つとされます。
- ●股関節まわりのほぐれ — 後ろ脚の付け根(腸腰筋)が深く伸び、股関節の前後の動きが引き出されるとされます。
- ●下半身の血行 — 脚全体を大きく使うことで、下半身の巡りやむくみのケアに用いられるとされます。
- ●骨盤まわりの意識 — 左右の脚を均等に伸ばそうとすることで、骨盤の向きや左右差への気づきが養われるとされます。
- ●集中と落ち着き — 完成を急がず呼吸を続けることで、気持ちを静めるのに役立つとされます。
やり方 🦶
1四つ這いから右脚を両手の間に踏み出し、低いランジの姿勢をつくります。両手は前脚の左右に置いて床を支えます。
2前足のかかとを少しずつ前へ滑らせ、前脚の裏側がやさしく伸びるのを感じながら、無理のない範囲で前へ伸ばしていきます。
3同時に後ろ脚のひざを少しずつ後方へ滑らせ、脚の付け根が伸びるのを感じながら、骨盤が正面を向くように調整します。
4両手の指先または手のひらで床をしっかり押さえ、上体を支えながら、左右の脚の高さや骨盤の傾きを整えます。
5痛みのない範囲で前後の脚を伸ばし、お尻が床に近づくところで止めます。届かない場合は無理をせず、その手前で保ちます。
6ゆったりと呼吸を続けながら数呼吸保ち、戻すときは前脚のひざを曲げて手で支えながら、ゆっくり四つ這いへ戻ります。反対側も同様に行います。
注意・禁忌 ⚠️
- ●ハムストリングスや脚の付け根を痛めやすいポーズのため、行う前に必ず股関節・もも裏・脚の付け根を十分にほぐすウォームアップを行ってください。
- ●股関節・ひざ・腰に痛みやケガがある方、過去に肉離れの経験がある方は無理に行わず、慎重に取り組むことが望ましいとされます。
- ●妊娠中の方や体調のすぐれない方は、股関節や脚の付け根に強い負担がかかるため、避けるか専門家の指導のもとで行うのが安全とされます。
- ●強い突っ張りや痛み、脚のしびれを感じたら直ちに中止し、必要に応じて医師に相談してください。柔軟性が十分でない段階で無理に床へ近づけないことが大切です。
軽減法・発展形 🔧
軽減法(やさしくする)
前後の脚の下にヨガブロックやクッションを置いてお尻を支え、床まで下りきらない高さで安全に伸びを感じる練習から始めます。
両手の下にもブロックを置いて上体を支えると、骨盤を安定させやすく、前後の脚に体重をかけすぎずに保てます。
完成形を急がず、低いランジや片脚を前に伸ばす前屈(半分の猿神のポーズ)で、もも裏と脚の付け根を段階的にほぐしておきます。
発展形(さらに深める)
前後開脚で安定して座れるようになったら、両手を胸の前で合わせたり頭上へ伸ばしたりして、上体を起こしたまま保持時間を少しずつ延ばします。

