
概要 📖 – 汎用コンテナとサブネットワーク整理
Base COMPは、TouchDesigner で最も汎用的なコンテナ COMP で、関連オペレータをまとめてサブネットワーク化・モジュール化するです。OP 固有のパラメータページを持たず Common Page のみで構成されるため、Geometry COMP のような描画機能や Container COMP のような UI パネル機能を必要としない「純粋なグルーピング」用途に最適です。
主な用途 🎯
- サブネットワーク整理のための最汎用コンテナとして関連オペレータ群を 1 ノード配下にまとめる
- External .tox による再利用可能モジュール化 (チームでの部品共有・バージョン管理)
- Clone Master 機能で複数の Base COMP に同一構成を継続的に複製・同期
- Parent Shortcut / Global OP Shortcut による階層内・プロジェクト全体からの名前付き参照
- Internal OP シーケンスで内部オペレータを外部から名前指定でアクセス可能にする API 境界の定義
データフロー 🔄
親ネットワーク
↓
Base COMP (汎用コンテナとして子オペレータ群を包含)
↓
内部の任意 OP / 外部 .tox ファイル
↓
親ネットワークへ Out OP 等で出力
初心者の方は、以下日本語書籍も手元にあると安心です。

実際の案件事例まで踏み込んで紹介されていて、効率よくスキルアップするなら必携の二冊です!
パラメータ解説 ⚙️
Common Page 🔧
Parent Shortcut .parentshortcut 🔗
コンポーネント内部からこの COMP へのパスとして使えるショートカット名:
- Parent Shortcut: コンポーネント内部の任意の場所からこの COMP を参照する際のショートカット名 (
parent.<name>形式で利用可能)
Global OP Shortcut .opshortcut 🌐
プロジェクト全体からこの COMP を参照するグローバル名:
- Global OP Shortcut: プロジェクト内のあらゆる場所からこの COMP へのパスとして使えるグローバル名 (
op.<name>形式で利用可能)
Internal OP .iop 📎
Internal OP シーケンス (コンポーネント内部 OP への名前付き参照):
- Shortcut:
iop0shortcut— コンポーネント内部の OP に対するショートカット名 - OP:
iop0op— このコンポーネント内部の対象 OP へのパス
Node View .nodeview 👁️
ノードビューア (Network エディタ上のサムネイル) に表示する内容を決定
| 項目 | 内部名 | 説明 |
|---|---|---|
| Default Viewer | .default |
コンポーネントタイプ標準のビューアを表示 |
| Operator Viewer | .opviewer |
指定した任意 OP のノードビューアを表示 |
Operator Viewer .opviewer 🖼️
Operator Viewer モード時に表示する対象 OP:
- Operator Viewer パス: Node View が
opviewerモードのとき、そのビューア内容として表示する OP のパス
Cloning .cloning 🧬
マスター COMP の内容を複製する Cloning 設定:
- Enable Cloning:
enablecloning— Clone Master の内容を継続的に複製するかを切替 - Enable Cloning Pulse:
enablecloningpulse— その瞬間だけ Clone Master の内容を瞬時に複製 - Clone Master:
clone— 複製元となるマスターコンポーネントへのパス
Load on Demand .loadondemand ⏳
必要時のみメモリにロードする遅延ロード設定:
- Load on Demand: オンの場合、このコンポーネントは実際に必要となるまでメモリにロードされない (起動時間・メモリ消費の最適化)
External .tox .externaltox 💾
外部 .tox ファイルとの連携設定:
- Enable External .tox:
enableexternaltox— 起動時に外部 .tox ファイルからロード - Enable External .tox Pulse:
enableexternaltoxpulse— 外部 .tox ファイルから即時リロード - External .tox Path:
externaltox— ディスク上の .tox ファイルへのパス - Reload Custom Parameters:
reloadcustom— コンポーネントのカスタムパラメータ値を再読み込み - Reload Built-In Parameters:
reloadbuiltin— コンポーネントの組み込みパラメータ値を再読み込み - Save Backup of External:
savebackup— .toe ファイル内に外部 .tox のバックアップコピーを保存 - Sub-Component to Load:
subcompname— .tox 内部の特定 COMP のみを取り出してロード
Relative File Path Behavior .relpath 📁
このコンポーネント内部での相対ファイルパスの解決基準
| 項目 | 内部名 | 説明 |
|---|---|---|
| Use Parent’s Behavior | .inherit |
親コンポーネントの設定を継承 |
| Relative to Project File (.toe) | .project |
.toe プロジェクトファイルからの相対パスとして解決 |
| Relative to External COMP File (.tox) | .externaltox |
外部 .tox ファイルからの相対パスとして解決 |
Parameter Color Space .parmcolorspace 🎨
このコンポーネント内の色パラメータをどの色空間として解釈するか
| 項目 | 内部名 | 説明 |
|---|---|---|
| sRGB | .srgb |
標準的な sRGB ガンマ空間 |
| sRGB – Linear | .srgblinear |
sRGB プライマリでガンマ線形 (1.0) |
| Rec.601 (NTSC) | .rec601ntsc |
Rec.601 NTSC 規格の色空間 |
| Rec.709 | .rec709 |
HDTV 用 Rec.709 色空間 |
| Rec.2020 | .rec2020 |
UHDTV / HDR 向け Rec.2020 広色域 |
| DCI-P3 | .dcip3 |
デジタルシネマ DCI-P3 色空間 |
| DCI-P3 (D60) | .dcip3d60 |
D60 白点 DCI-P3 |
| Display-P3 (D65) | .displayp3d65 |
D65 白点 Display-P3 (Apple ディスプレイ等) |
| ACES2065-1 | .aces2065-1 |
ACES アーカイブ用色空間 (AP0 プライマリ) |
| ACEScg | .acescg |
ACES CG 作業用色空間 (AP1 プライマリ) |
| Passthrough | .passthrough |
色変換を行わず値をそのまま扱う |
Parameter Reference White .parmreferencewhite ⚪
色パラメータの基準白色の扱い
| 項目 | 内部名 | 説明 |
|---|---|---|
| Default For Color Space | .default |
選択した色空間のデフォルト基準白を使用 |
| Standard (SDR) | .sdr |
標準ダイナミックレンジ (SDR) 基準白 |
| High (HDR) | .hdr |
ハイダイナミックレンジ (HDR) 基準白 |
| UI | .ui |
UI 表示用の基準白 |
実践アイデア 💡
Example 1: サブネットワークのグルーピング 📦
親ネットワーク → Base COMP (子オペレータ群を内包) → Out CHOP / Out TOP 等で親へ出力
音響処理・入力ハンドリング・解析ロジック等の機能ブロックを Base COMP の中にまとめ、親ネットワークから 1 ノードとして扱えるようにする最も基本的な使い方。In/Out オペレータでサブネット境界を明示することで、親-子間のインタフェースが固定され可読性とメンテナンス性が大幅に向上する。
- ネットワーク内に Base COMP を配置 (Tab メニュー → COMP → Base、または右クリック → Add Operator)
- Base COMP を開いて (キーボード
iで内部に降りる) 関連する子オペレータをまとめて配置 - サブネット境界で In CHOP / In TOP / In SOP 等の入力 OP と Out CHOP / Out TOP / Out SOP 等の出力 OP を配置
- 親ネットワークから Base COMP に対して入出力ワイヤを接続 (内部の In/Out OP に自動的に対応付け)
Example 2: External .tox による再利用可能モジュール化 💾
Base COMP (Enable External .tox=ON, External .tox Path=共有 .tox) → 別プロジェクトでも同じ .tox を参照 → モジュールの一元更新
Base COMP の External .tox 機能を使うと、コンポーネント内容を独立した .tox ファイルに保存し、別の .toe プロジェクトから参照できる。複数案件で共通利用するセンサー入力モジュールや UI パーツを .tox に切り出し、1 箇所の修正で全プロジェクトに反映する運用に向く。
- Base COMP 内に再利用したい機能 (例: OSC 受信 + データ整形パイプライン) を構築
- Base COMP を右クリック → Save Component .tox で
.toxファイルとしてディスクへ書き出し - Common Page の Enable External .tox をオン、External .tox Path に保存先のパスを指定
- 別プロジェクトでも同じ Base COMP を配置し同じ External .tox Path を設定 → 起動時に .tox から自動ロード
- モジュール更新時は元 .tox を上書き保存し、各プロジェクトで Enable External .tox Pulse を押して即時リロード
Example 3: Clone Master による複数 Base COMP の同期 🧬
マスター Base COMP (構成定義) → 複数のクローン Base COMP (Enable Cloning=ON, Clone Master=マスターのパス) → 全クローンが自動で同一構成に
1 つの Base COMP を マスター として扱い、他の Base COMP を Clone Master に設定すると、マスターの内部構成変更が継続的に全クローンへ複製される。マルチディスプレイ展示で同一 VJ パイプラインを 4 面分用意するケースや、複数の入力チャンネルに同一の信号処理を当てたいケースで威力を発揮する。
- マスターとなる Base COMP を 1 つ作り、内部に共通構成 (例: 信号処理パイプライン) を構築
- クローン用の Base COMP を必要数だけ追加配置
- 各クローン Base COMP の Clone Master パラメータにマスターのパス (例:
/project1/master_pipeline) を入力 - Enable Cloning をオンにすると以後マスターの構成変更が継続的に反映される
- 瞬時複製で十分なら Enable Cloning Pulse を 1 回押し、その後は Enable Cloning をオフにして独立運用も可能
Example 4: Parent Shortcut で深い階層の参照を簡潔化 🔗
Base COMP (Parent Shortcut=audio) → 内部の任意子 OP から parent.audio でこの Base COMP を参照
深いネスト構造のプロジェクトでは、子オペレータから親 Base COMP のパラメータやストレージを参照する際にパス記述が冗長になりがち。Parent Shortcut を設定すると、内部の任意の場所から parent.<名前> 形式で短く参照できるようになり、後からネスト構造を変更してもコードの修正が不要になる。
- Base COMP の Parent Shortcut パラメータに識別名 (例:
audio) を入力 - 内部の子 OP の Python 式や CHOP Reference で
parent.audio.par.<パラメータ名>形式で参照 - Base COMP をプロジェクト内で別の親階層に移動しても、Parent Shortcut 名が同じなら参照式の修正不要
- プロジェクト全体から参照したい場合は Global OP Shortcut を併用し
op.<名前>形式で呼び出し可能
関連オペレータ 🔗
類似機能OP 🔍
- Container COMP — UI パネル機能を持つコンテナ。Base COMP と違いパネル描画・サイズ・配置パラメータを持つ
- Geometry COMP — 3D オブジェクト用コンテナ。SOP / MAT / レンダリング用パラメータを持つ
組み合わせ推奨OP 🔄
- Container COMP — Base COMP 内部の機能ブロックを UI として可視化する親レイアウトに利用
- Window COMP — Base COMP に格納したパイプラインの出力を実機ウィンドウとして表示
- Replicator COMP — Base COMP をテンプレートとして DAT 駆動で動的に複数複製
- Annotate COMP — Base COMP 内部のサブシステムを Network Editor 上で視覚的にゾーニング・ドキュメント化
- In CHOP — Base COMP の入力境界として CHOP データを受け取る
- Out CHOP — Base COMP の出力境界として CHOP データを親ネットワークへ送出
前処理・後処理COMP 🎯
Info COMP情報 📊
Base COMP は Info CHOP / Info DAT による詳細情報取得に対応しています。
COMP 固有情報 📦
num_children: コンポーネント内部の子 OP の総数num_dats: 内部 DAT の数num_chops: 内部 CHOP の数num_tops: 内部 TOP の数num_sops: 内部 SOP の数
汎用オペレータ情報 🔄
total_cooks: プロセス開始からのクック回数cook_time: 最後のクック時間 (ミリ秒)cook_frame: 最後にクックされたフレーム番号warnings: 警告数errors: エラー数cook_abs_frame: 絶対時間基準でのクックフレーム番号cook_start_time: オペレータがクックを開始した時刻cook_end_time: クックが完了した時刻cooked_this_frame: 現在のフレームでクックされた場合は1
トラブルシューティング ⚠️
よくある問題と解決策 🔧
❌ Problem: External .tox を設定したのに起動時にロードされない
✅ Solution:
- Enable External .tox がオンになっているか確認 (オフの場合 .toe ファイル内蔵版が使われる)
- External .tox Path のパスが現在のマシンで実在するか確認 (相対パスは
.toe基準) - Save Backup of External をオンにしておくと、ファイル不在時にも .toe 内のバックアップから復帰可能
❌ Problem: Clone Master を設定したがクローンの内容が更新されない
✅ Solution:
- Enable Cloning がオンになっているか確認 (オフだとマスター変更が反映されない)
- Clone Master パラメータにマスター Base COMP の正しいパスが入っているか確認
- 1 回だけ複製したい場合は Enable Cloning Pulse ボタンを押す (継続同期は不要)
❌ Problem: Parent Shortcut を設定したのに parent.<名前> 参照でエラーが出る
✅ Solution:
- Parent Shortcut は子オペレータからの参照にのみ有効。Base COMP の外部からは参照できない (外部参照は Global OP Shortcut を使用)
- ショートカット名が他の Base COMP と重複していないか確認 (同名がある場合は近い親が優先)
- Python 式中では
parent.audio.par.<パラメータ名>のようにparent.プレフィックスを必ず付ける
❌ Problem: Base COMP のロードに時間がかかる / 起動が遅い
✅ Solution:
- 起動時に必要ない Base COMP は Load on Demand をオンにして遅延ロード化
- External .tox ファイルが巨大な場合は内容を分割し複数の Base COMP に分ける
- クローン構成が深くネストしている場合は Enable Cloning を必要な階層のみオンにして連鎖クッキング負荷を抑える
参考資料 📚
その他 🔗
- TouchDesigner Wiki — COMP 概要
- TouchDesigner Wiki — Category:COMPs
- TouchDesigner Wiki — Category:Components
- TouchDesigner Wiki ホーム
- TouchDesigner 公式 Forum
- Facebook — TouchDesigner Help Group

