
概要 📖 – 映像を外部機器へ出力
Video Device Out TOPは、GPU で生成した映像を Blackmagic / AJA 等の出力カードを通して SDI/HDMI 等の外部機器へ送り出す TOPです。信号フォーマット・色空間・音声・タイムコードを指定して、放送やライブ演出に必要な品質の映像信号を物理出力します。
主な用途 🎯
- SDI / HDMI キャプチャカード経由でのプロ映像出力
- ライブイベントでの大型スクリーン・LED ウォールへの送出
- 放送・配信用の信号フォーマット指定出力(解像度・フレームレート)
- 映像への音声・タイムコードの埋め込み出力
- 複数出力カードのフレーム同期(Genlock)運用
データフロー 🔄
入力: GPU 上のテクスチャ(TOP 出力)
↓
出力処理(信号フォーマット・色変換・音声埋め込み)
↓
出力: SDI/HDMI 等の物理出力カードへの映像信号
初心者の方は、以下日本語書籍も手元にあると安心です。

実際の案件事例まで踏み込んで紹介されていて、効率よくスキルアップするなら必携の二冊です!
パラメータ解説 ⚙️
Device Out Page 📤
出力デバイス設定 .deviceout 📤
Active .active ✅Active (出力の有効化) — 出力カードへの送出を有効・無効に切り替えます。
Signal Format .signalformat 📺Signal Format (信号フォーマット) — 出力する解像度・フレームレートと、プログレッシブかインターレースかを指定します。インターレース時のレートは「秒あたりのフィールド数」を指します。
Output Color Format .outputcolorformat 🎨Output Color Format (出力カラー形式) — 対応デバイスで送出するデータの色形式(YUV 4:2:2 または RGB 4:4:4)を指定します。
Audio CHOP .chop 🔊Audio CHOP (埋め込み音声) — 出力に音声を埋め込む場合、Time Slice 化された CHOP のパスを指定します。
Buffer Length .bufferlength ⏳Buffer Length (音声バッファ長) — 音声のプチプチ音(クラックル)を避けるために音声データをバッファする秒数です。
Manual Field Control .manualfield 🔁Manual Field Control (手動フィールド制御) — インターレース映像を出力する際、入力も同じくインターレースの場合に奇数・偶数フィールドの同期を保つために使います。
Info CHOP の odd_field 値を参照し、現在のフレームがどちらのフィールドかを判定して同期させます。
First Field .firstfield 🎬First Field (先頭フィールド) — インターレース出力時、入力フレームが最終出力画像の先頭フィールドか第 2 フィールドかを伝えます。詳細は Manual Field Control の説明を参照します。
Timecode Object / CHOP / DAT .timecodeop ⏱️Timecode Object / CHOP / DAT (タイムコード埋め込み) — 出力にタイムコードを埋め込みます。hour / minute / second / frame チャンネルを持つ CHOP、先頭セルにタイムコード文字列を持つ DAT、または Timecode クラスオブジェクトを参照します。
Sync Outputs .syncoutputs 🔗Sync Outputs (出力同期) — 複数の独立した出力ノードを互いに同期させます。Pro ライセンスが必要です。
Deltacast FLEX 系・Blackmagic Design 系カードで対応します(多くの Blackmagic カードは Genlock ソースの接続が必要)。
Sync Group Index .syncgroupindex 🔢Sync Group Index (同期グループ番号) — 複数のカードを別々の同期グループにまとめる際、同じグループのカードに同一の番号を指定します。
Reset Stats .resetstats ♻️Reset Stats (統計リセット) — 接続された Info CHOP の統計値をリセットするパルスです。
Library .library 🗂️
Library (ドライバライブラリ) — 使用する出力カードのドライバライブラリを選択します。
| 項目 | 内部名 | 説明 |
|---|---|---|
| Blackmagic | .blackmagic |
Blackmagic Design 系カード(ドライバ 12.x 系に対応) |
| BlueFish444 | .bluefish444 |
BlueFish444 系カード |
| AJA | .aja |
AJA 系カード |
| Deltacast | .deltacast |
Deltacast 系カード |
Device .device 🖥️
Device (出力デバイス) — 出力先となる映像デバイスを選択します(Library 設定後に一覧表示):
- 出力デバイス選択: 接続済みの出力カードが一覧表示されます(例:
DeckLink 8K Pro (1))。Library 設定後に表示されます。
Output Pixel Format .outputpixelformat 🧮
Output Pixel Format (出力ピクセル形式) — 可能な場合に出力のピクセル形式を設定します(デバイス種別に依存)。デバイスや設定によっては YUV 色空間へ変換されます。
| 項目 | 内部名 | 説明 |
|---|---|---|
| 8-bit RGB | .fixed8 |
8 ビットの色データ、アルファチャンネルなし |
| 8-bit + 8-bit Key (Alpha) | .fixed8key8 |
8 ビットの色データ + 8 ビットのアルファ。通常は SDI ケーブル 2 本(色用・アルファ用)を使う構成 |
| 10-bit RGB | .fixed10 |
10 ビットの色データ、アルファなし |
| 12-bit | .fixed12 |
12 ビットの色データ |
Reference Source .referencesource 📡
Reference Source (リファレンス入力) — AJA デバイスでリファレンス(同期)入力として使う入力を指定します。
| 項目 | 内部名 | 説明 |
|---|---|---|
| Default | .default |
既定のリファレンス入力 |
| External Ref In | .external |
外部リファレンス入力端子 |
| SDI Input 1 | .sdi1 |
SDI 入力 1 をリファレンスに使用 |
| SDI Input 2 | .sdi2 |
SDI 入力 2 をリファレンスに使用 |
| SDI Input 3 | .sdi3 |
SDI 入力 3 をリファレンスに使用 |
| SDI Input 4 | .sdi4 |
SDI 入力 4 をリファレンスに使用 |
| SDI Input 5 | .sdi5 |
SDI 入力 5 をリファレンスに使用 |
| SDI Input 6 | .sdi6 |
SDI 入力 6 をリファレンスに使用 |
| SDI Input 7 | .sdi7 |
SDI 入力 7 をリファレンスに使用 |
| SDI Input 8 | .sdi8 |
SDI 入力 8 をリファレンスに使用 |
Audio Bit Depth .audiobitdepth 🎚️
Audio Bit Depth (音声ビット深度) — 各サンプルに使う情報のビット数を指定します。
| 項目 | 内部名 | 説明 |
|---|---|---|
| 16-Bit | .16bit |
16 ビット音声 |
| 32-Bit | .32bit |
32 ビット音声 |
Transfer Mode .transfermode 🔀
Transfer Mode (転送モード) — GPU と出力カードの間で画像データをどう転送するかを制御します。
| 項目 | 内部名 | 説明 |
|---|---|---|
| Automatic | .automatic |
搭載構成に応じて最適な転送モードを自動選択(可能なら最高性能の Pinned を選択) |
| Default | .default |
3 段階転送(GPU → CPU メモリ → ドライバメモリ → 出力カード) |
| Pinned | .pinned |
2 段階転送(GPU → ドライバメモリ → 出力カード) |
Color Page 🎨
Output Color Space .colorspace 🌈
Output Color Space (出力色空間) — 出力前にデータを変換する色空間を制御します。出力(SDI/ST2110 等)がメタデータに対応していれば色空間情報も含めようとします。
| 項目 | 内部名 | 説明 |
|---|---|---|
| sRGB | .srgb |
sRGB 色空間 + sRGB トランスファ関数。リファレンスホワイトに対し SDR 扱い |
| sRGB – Linear | .srgblinear |
sRGB 色空間 + リニアトランスファ関数。SDR 扱い |
| Rec.601 (NTSC) | .rec601ntsc |
NTSC 原色の Rec.601 色空間 + Rec.601 トランスファ関数。SDR 扱い |
| Rec.709 | .rec709 |
Rec.709 色空間 + Rec.709 トランスファ関数。SDR 扱い |
| Rec.2020 | .rec2020 |
Rec.2020 色空間 + Rec.2020 トランスファ関数。HDR 扱い |
| Rec.2020 ST2084PQ | .rec2020st2084pq |
Rec.2020 色空間 + PQ(Perceptual Quantizer)トランスファ関数。HDR 扱い |
| Rec.2020 HLG | .rec2020hlg |
Rec.2020 色空間 + HLG(Hybrid Log Gamma)トランスファ関数。HDR 扱い |
| DCI-P3 | .dcip3 |
DCI-P3 色空間(D65 ホワイトポイント + 2.6 ガンマ)。HDR 扱い |
| DCI-P3 (D60) | .dcip3d60 |
DCI-P3「D60 sim」色空間(D60 ホワイトポイント + 2.6 ガンマ)。HDR 扱い |
| Display-P3 (D65) | .displayp3d65 |
Display-P3 色空間(D65 ホワイトポイント + sRGB ガンマ)。HDR 扱い |
| Display-P3 (D65) – Linear | .displayp3d65linear |
Display-P3 色空間(D65 ホワイトポイント + リニアトランスファ)。HDR 扱い |
| ACES2065-1 | .aces2065-1 |
ACES 2065-1(ACES AP0)色空間 + リニアガンマ。HDR 扱い |
| ACEScg | .acescg |
ACEScg(ACES AP1)色空間 + リニアガンマ。HDR 扱い |
| ACESproxy | .acesproxy |
ACESproxy 色空間(ログトランスファ関数)。HDR 扱い |
| Passthrough | .passthrough |
色値を変換せずそのまま使用(Working Color Space への変換を行わない) |
Output Reference White .outputreferencewhite ⚪
Output Reference White (出力基準白) — 出力用に色値を Working Color Space へ変換する際、リファレンスホワイト(基準となる白の明るさ)をどう扱うかを制御します。
| 項目 | 内部名 | 説明 |
|---|---|---|
| Default For Color Space | .default |
選択・検出された色空間に応じて SDR / HDR のリファレンスホワイトを自動使用 |
| Standard (SDR) | .sdr |
出力色空間を SDR としてリファレンスホワイト値を扱う |
| High (HDR) | .hdr |
出力色空間を HDR としてリファレンスホワイト値を扱う |
実践アイデア 💡
Example 1: SDI でライブ映像送出 📺
Render TOP → Level TOP → Video Device Out TOP (Blackmagic, 1080p59.94)
TouchDesigner で描画した映像を Blackmagic 出力カード経由で SDI 信号として送り出し、ライブイベントのスイッチャーや大型スクリーンへ供給する基本フロー。信号フォーマットを会場仕様に合わせて指定する。
- Render TOP 等で出力したい映像を用意
- Video Device Out TOP の Library を「Blackmagic」、Device を接続カードに設定
- Signal Format を会場仕様(例: 1080p59.94)に合わせて指定
- Active を有効にして SDI 出力先で映像を確認
Example 2: 映像と音声を同時出力 🔊
Render TOP → Video Device Out TOP ← Audio Device In CHOP (Time Slice)
映像信号に音声を埋め込んで 1 本の SDI 出力にまとめる用途。Time Slice 化した CHOP を Audio CHOP パラメータに指定し、バッファ長を調整してプチプチ音を防ぐ。
- 音声ソースを Time Slice 化した CHOP として用意
- Video Device Out TOP の Audio CHOP に その CHOP のパスを指定
- Buffer Length を調整してクラックル(プチプチ音)を抑制
Example 3: 複数カードのフレーム同期 🔗
Render TOP A / B → Video Device Out TOP ×2 (Sync Outputs ON, 同一 Sync Group Index)
複数の出力カードを使うマルチスクリーン演出で、各出力のフレームずれを防ぐためにフレーム同期を有効化する。Pro ライセンスと Genlock ソースの接続が前提になる。
- 各 Video Device Out TOP で Sync Outputs を有効化
- 同じグループのカードに同一の Sync Group Index を指定
- Blackmagic 系では Genlock リファレンスソースを接続して同期を確立
Example 4: タイムコード付き収録出力 ⏱️
Render TOP → Video Device Out TOP ← Timecode CHOP
収録機材へ送る映像にタイムコードを埋め込み、後工程の同期・編集を容易にする用途。hour/minute/second/frame チャンネルを持つ CHOP を Timecode 参照に指定する。
- hour / minute / second / frame チャンネルを持つ CHOP を用意
- Video Device Out TOP の Timecode 参照にその CHOP を指定
- 収録側でタイムコードが受信できているか確認
関連オペレータ 🔗
類似機能OP 🔍
- NDI Out TOP — 専用カード不要でネットワーク経由の映像送出
- Syphon Spout Out TOP — 同一 PC 上の他アプリへ映像を共有出力
- ST2110 Out TOP — IP ベースの放送規格 ST2110 で映像送出
- Movie File Out TOP — 物理出力ではなく動画ファイルとして書き出し
組み合わせ推奨OP 🔄
- Video Device In TOP — 外部入力を取り込み加工して再出力するループ構成
- Audio Device In CHOP — Audio CHOP に渡す音声ソースを取得
- Timecode CHOP — 出力に埋め込むタイムコードを生成
前処理・後処理TOP 🎯
Info情報 📊
Video Device Out TOP は Info CHOP を接続することで、出力のフレーム統計・ドロップ状況などの情報を取得できます。Reset Stats パルスで統計値をリセットします。
TOP固有情報 🖼️
resx: TOP の出力解像度 X (ピクセル単位)resy: TOP の出力解像度 Y (ピクセル単位)aspectx: アスペクト比 Xaspecty: アスペクト比 Ydepth: 3D テクスチャ / テクスチャ配列の深度 (2D テクスチャでは 1)gpu_memory_used: TOP が消費している GPU メモリ量 (MB 単位)
汎用オペレータ情報 🔄
total_cooks: プロセス開始からのクック回数cook_time: 最後のクック時間 (ミリ秒)cook_frame: 最後にクックされたフレーム番号warnings: 警告数errors: エラー数
トラブルシューティング ⚠️
よくある問題と解決策 🔧
❌ Problem: 出力先に映像が出ない
✅ Solution:
Activeが有効になっているか確認Libraryを出力カードに合わせて選択し、その後Deviceを選び直す- ドライバ(Blackmagic は 12.x 系等)が正しくインストールされているか確認
❌ Problem: 音声が出ない・プチプチ音が出る
✅ Solution:
Audio CHOPに Time Slice 化された CHOP のパスを指定しているか確認Buffer Lengthを長めに設定してクラックルを抑制- 前段で Audio Device In CHOP を Time Slice モードで取得しているか確認
❌ Problem: 複数出力がずれる・カクつく
✅ Solution:
Sync Outputsを有効化し、同じグループに同一のSync Group Indexを指定- Blackmagic 系では Genlock リファレンスソースを接続
- インターレース出力では
Manual Field Controlでフィールド同期を保つ
参考資料 📚
その他 🔗
- TouchDesigner Wiki — Category:TOPs
- TouchDesigner Wiki — Pixel Formats 解説
- TouchDesigner Wiki ホーム
- TouchDesigner 公式 Forum
- Facebook — TouchDesigner Help Group

